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#現代設定 ゆっくりとオートバイ 先日、夏の間から延々と引きずっていた仕事が終わったため、男はやっと取りそびれていた夏休みを取ることができた。 夏休みと言っても名ばかりで、山は既に紅葉で赤く色付き朝晩は冷え込んでかなり寒い。 しかし、せっかく取れた休みなので、男は久し振りに趣味のバイクでツーリングに行くことにした。 男はまだ日の昇る前に寝床から這い出して、昨日の内に用意しておいた装備を身に着けると、ヘルメットと荷物を抱えて玄関へと向かった。 サイドジップの革ブーツを履いてジッパーを上げ、靴棚の上に置かれた時計を確認する。 時計の時刻はまだ六時前だったので、今から出発すれば通勤渋滞を避けることができるはずだ。 「それじゃ、いってきます」 見送りなどいないが、一声かけてから玄関の鍵を閉めて駐車場へと向かった。 駐車場は自動車二台ほどのスペースがあり、乗用車と自転車が二台ほど停めてある。 男は駐車場の隅のブルーシートで覆われた一角へと向かった。 男の家の駐車場は屋根が無いため、バイクはバイクカバーをかけた上にブルーシートを被せて保管してある。 バイク用のシェルターなども売ってはいるが、少々値が張るため行楽時の敷物から建築現場の養生と、万能振りを発揮するブルーシートを使用することにしたのだ。 「あれ、ほどけてるな。結び忘れたか?」 ブルーシートは風で飛ばされないように紐で結んで杭に固定していたのだが、一箇所紐が緩んでシートに隙間ができていた。 昨日バッテリーとエンジンの調子を確認したときに結び忘れたらしい。 男が結んである紐をほどいてブルーシートを外すと、その下からなにやらバレーボール大の物体が姿を現した。 「……ゆっくりかよ」 ゆっくりは二匹いて、片方が帽子をかぶったゆっくりまりさ、もう片方がリボンのついたゆっくりれいむだった。 男は以前に、ブルーシートの中で猫にマーキングされて酷い目に会ったことがあるため、バイクの周りに猫避けシートを敷き詰めていた。 その猫避けシートの上に、まりさが見事に鎮座していた。 れいむは猫避けシートには乗らなかったらしく、まりさの後ろに寄り添っていた 動けないまりさを見捨てなかったということは、この二匹はもしかしたらつがいかもしれない。 どちらのゆっくりにも飼いゆっくりの証であるバッジが無いことを確認し、とりあえず現状を把握することにした。 「あー、こりゃみごとに刺さってるな」 猫よけシートは、網目状のプラスチックの上に棘のような突起が生えているシートである。 男はその一辺三十センチ程の正方形のシートを連結して、バイクの周りに敷き詰めていた。 猫は足の裏の肉球が敏感なため、猫避けシートの棘の上は痛くて歩くことができない。 ゆっくりは体の底面の”あんよ”が傷つくことを極端に恐れるため、この猫避けシートはゆっくり避けとしても効果があった。 そのシートの上にまりさが乗っかっており、底面に長さが3センチはある棘が根元まで突き刺さっていた。 二匹はどちらも眠っているようで、まりさが苦しそうに「ゆ゛っ、ゆ゛っ」と呻いているのに対して、れいむは「ゆー、ゆー」と気持ちよさそうな寝息を立てている。 風を通さないブルーシートの中が快適だったのだろう。 とりあえずシートを引きずり、バイクの方を向いていたまりさの向きを変えて顔が見えるようにする。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ」と呻いているが起きる気配がまったくない。 れいむの方もまりさの隣に移動してやるが、こちらも熟睡しているようだ。 この二匹をどうにかしないといけないのだが、眺めていても仕方がないので二匹を起こすことにした。 「ゆっくりしていってね!!」 二匹の真上で声をかけてやると、 「「ゆっくりしていってね!!」」 と声を上げて二匹とも目を覚ました。 ゆっくりは、”ゆっくりしていってね”と声をかけてやれば余程のことが無い限り返事をする習性をもっている。 「ゆっ、おやねがなくなっちゃたよ!?」 「ゆっ? どうしたんだぜ、なんかあんよがいたいんだぜ?」 どうやられいむは、ブルーシートが無くなったことに困惑しているようだ。 まりさは足の違和感に首を――首は無いが――かしげている。 れいむが目の前に立った男に気が付き声をかけてきた。 「ゆっ、おにいさんはゆっくりできるひと?」 それに続けてまりさが言った。 「ここはまりさのおうちだぜ!! おじさんはまりさにたべものをもってくるんだぜ!!」 れいむの挨拶はゆっくりとしては一般的なのだが、まりさはなんとなくゲスっぽい感じがした。 おうち宣言をしたということは、昨夜の内にブルーシートの隙間から入り込んで住み着こうとしたのだろう。 そこで、最初に入ったまりさが猫避けシートの上に飛び乗って身動きできなくなり、れいむは動けないまりさに寄り添っていたが、二匹とも疲れて眠ってしまったというところだろうか。 男は無駄だとは思ったが、一応ゆっくりたちと話をすることにした。 「ちがうよ、ここはお兄さんのおうちだよ。ゆっくり理解してね!」 と男は二匹に言った。 「なにいってるの? ここはれいむとまりさのおうちだよ!!」 「ゆ゛っ!! ここはまりさのおうちだっていってるんだぜ!! おじさんはゆっくりでていってね!!」 この二匹は住宅街の野良なのに、人間の怖さをまだ学習して無いらしい。 男は二匹の周りを見回して言ってやった。 「おうち? どこにおうちがあるのかな、どこにも無いんだけど?」 「ゆっ?」 れいむが自分の周りを見ると、寝る前までは青くて暖かいおうちの中にいたはずなのに、いつのまにか外に出てしまっていた。 「どぼじでおうちがないのぉおおおおおおおお!!」 「ゆっ、どういうことなんだぜ!?」 とまりさも周りを見ようとして、 「ゆぎぃいい!! あ゛んよがいだいんだぜ!!!!」 と悲鳴を上げた。 「ゆゆっ!? まりさ、どうしたの!?」 痛がるまりさをみてれいむがおろおろとしている。 「ゆ゛っ!! おかしいんだぜ、まりさのあんよがうごかないんだぜ!!」 「ゆっ! どうしてなのぉおおお!!」 まりさはやっと自分が動けないことに気が付いたようだ。 「で、おうちは無いみたいだね?」 と男が言うと。 「ゆぎぃいい!! きっとこのじじいがまりさのおうちをとったんだぜ!!」 と、まりさがあんよの痛みをこらえながら言ってきた。 ブルーシートを外したのは男なので、ある意味間違ってはいない。 「ゆっ、そうなの!? まりさ、おうちをとりかえしてね!!!!」 「あんしんするんだぜれいむ、このまりさがあんなじじいすぐにころしてやるんだぜ!!」 概ね予想通りの展開に男はため息を吐いた。 「まりさはどうやってお兄さんを殺すのかな?」 「ゆふ~ん、おじけづいたのかだぜ? まりさのたいあたりはゆっくりでいちばんなんだぜ! れみりゃにもかてるんだぜ!!」 とまりさが自慢げに踏ん反り返る。 どうやらあんよが動かないことは忘れたらしい。 「そりゃすごい、早くやってみろよ。ほら、お兄さんは避けないからさ」 「ゆぐっ! まりさをばかにしてるのかだぜ? あとであやまってもゆるざないぜ!!」 と言うと、まりさは男に飛び掛かるために踏ん張ろうして、 「ゆぎぎぃいいいいい!! あ゛んよがいだぃいいいいいいいい!!!!」 と叫び声を上げた。 痛いはずである。底面一面に棘が刺さって固定されているのだから。 先ほど自分であんよが動かないと言っていたはずなのだが、さすが餡子脳といったところだろうか。 まりさはあまりの痛さにのた打ち回ろうとするが、底面を猫避けシートがガッチリと固定しているためにその場から動けずにいる。 「ゆゆっ!? まりさ、どうしたのぉおおおお!?」 その横で、痛がるまりさにれいむがあわててすりすりしている。 「どぼじであ゛んよがうごがないの゛ぉおおおおお!!」 「まったく、まりさは馬鹿なの? アホなの? 死ぬの?」 「ゆがぁああああ!! ばでぃざはばがじゃないぃいいいいい!!! ゆぎぃいいいい!!」 まりさは男の挑発に飛び掛ろうとして、再度痛みに悲鳴を上げた。 「お前なぁ、あんよにそんなものが刺さっているのに動けるつもりなのか?」 「ゆ゛っ!! おぼいだしだぁああ!! ぎのういきなりこのとげとげがざざっだんだぜえええ!!」 「ゆっ、そうだったよ! おうちをみつけたとおもったらまりさがうごけなくなっちゃったんだよ!!」 「おじざぁあああん!! ばりざをだずげでほじいんだぜぇええええええ!!」 このまりさは、先ほどまで自分が何を言っていたか覚えていないらしい。 媚びているつもりなのか、じじい呼ばわりしていた呼称がおじさんに戻っていた。 「あー、はいはい。で、ここはだれのおうちなの?」 「ゆっ? ここはれいむとまりさのおうちだよ!!」 「なにいっでるんだぜ!! ごこはばでぃざのおうぢだっていっでるんだぜ!! ばかなのかだぜ!!」 予想はしていたが、れいむとまりさは考えるぞぶりも見せずに言い切ってくれた。 「おうちなんかないよ?」 「ゆーーっ!! おにいさんがとったんでしょぉおおお!!!」 「おじざん、はやぐばりざをだずけるんだぜぇえええ!!」 「まぁ、助けてもいいけどさ、君たちが二度とここに来ないって約束したら助けてあげるよ」 「なに゛いっでるんだぜぇええええ!! ここはばりざのおうぢだっていっでるんだぜぇええええ!!」 「ゆーっ! はやくまりさをたすけてね!! おうちもかえしてね!! れいむおこるよ!!」 ぷくーっ! とれいむが膨らんで威嚇する。 「おお、きもいきもい」 久しぶりのツーリングなのに出発する前から可愛くも無いゆっくりの相手をさせられて、男はかなり苛付いてきた。 つんつんと、軽く足でシートの端を突付いてやる。 「ゆがぁあああああ!! なにずるんだぜぇええええ!!」 「ゆっ!? どぼじでそういうごとするのぉおおおおおお!!」 「おまえらさ、いい加減邪魔なんだわ」 と男は動けないまりさから帽子を奪い取った。 「ゆ゛っ!! ばりざのすできなおぼうしがえすんだぜぇえええ!!」 「で、ここはだれのおうちなんだ?」 「ばでぃざのおうぢだって――ゆぎゃっ!!」 またシートを突付いてやる。 「やめてね、まりさをいじめないでね!! まりさをたすけたらゆっくりしんでね!!」 と、まりさの横でれいむが飛び跳ねている。 「それじゃ、おまえがこの帽子を取ることができたら助けてやるよ」 れいむにそう言うと、男は手にした帽子を50センチほどの高さにぶら下げてやった。 ただしその場所は猫避けシートの真上だったが…… 「でいぶぅううう!! ばりざのおぼうしをとりかえしてほしいんだぜぇええ!!」 「ゆーっ、ゆっくりがんばるよ!! おじさんはれいむがとれないとでもおもったの? ばかなの?」 れいむは「ゆーーっ!」と力むと、「ぴょーん!!」 と擬音を口にして跳ね上がった。 跳ね上がったれいむは、帽子の鍔を咥えて見事に男の手から帽子を奪い取った。 しかし、跳ね上がったら次は下に落ちるのが世の定めである。 れいむはそのまま見事に着地した――猫避けシートの真上に。 「ゆびゃぁああああああ!!! でいぶのきれいなあんよがぁああああああ!!!」 叫び声を上げたれいむの口から、まりさの帽子がこぼれ落ちる。 「ゆ゛ぅうううううう!! はやぐばりざのおぼうしをよこすんだぜ!!」 まりさはれいむよりも自分の帽子の方が心配らしい。 「まぁ、やくそくしたからコレは返してやろう」 男は帽子を拾い上げると、まりさの頭に被せてやった。 「ゆっ、まりさのおぼうしもうどこにもいかないでね!!」 まりさは帽子が戻ったことに安心したらしく、ゆ~ゆ~言い出した。 どうやら足の事やいまの状況は忘れてしまったらしい。 とりあえず二匹とも動けなくなったので、男は猫避けシートを脇に避けるとバイクからバイクカバーを剥がしてブルーシートと一緒に杭に縛り付けた。 まりさとれいむがなにやら叫んでいたが、とりあえず無視する。 ゆっくりの相手はいい加減にして、さっさと出発しないと通勤車の渋滞に巻き込まれてしまう。 男はバイクにトップケースとタンクバッグをつけると、ウエストにつけたポーチから取り出したキーをバイクに差し込んで捻った。 続けて、チョークを引いてセルスイッチを押し込み、セルの回る音を聞きながら軽くアクセルをあおってやると、排気音を響かせてエンジンが掛かった。 「ゆ゛ーーっ、ゆっぐりでぎないおどがする!!!!」」 「おじさんやめるんだぜぇええ!! ばりざのあんよにひびぐんだぜええええ!! 心地よい重低音が響いているのだが、この二匹にとっては不快らしい。 男はアイドリングが安定したことを確認すると、エンジンの暖気をしている間にゆっくりを捨ててくることにした。 猫避けシートからまりさとれいむの乗っかった部分を取り外し、二匹の頭を掴んで持ち上げる。 バレーボール程度とはいえ餡子の詰まったゆっくりは結構重い。 「ゆっ、おそらをとんでるみたい~♪」 「ゆっ、おそらをとんでるみたいだぜ~♪」 男は二匹をぶら下げたまま、駐車場から出ると、近所の公園へと向った。 別にこのまま叩き潰してゴミ収集所のダストボックスに放り込んでもいいのだが、ツーリング前に殺生を犯して――饅頭相手に殺生になるかは分からないが――けちを付けたくなかった。 男はゆっくり愛護派でも虐待派でも無いので、よほどの実害が無い限りゆっくりにも寛大だった。 「ゆ~、れいむをどこにつれていくの!?」 「おじさん、まりさをはなすんだぜ!!」 近所の公園に着くと、男は芝生に覆われた広場の中心へと向った。 「まぁ、ここら辺でいいだろう」 れいむを足元に落とす。 「ゆぎゃぁあああああ!! あんよがいだぃいいい!!」 次に男はまりさを裏返すと、底面から猫よけシートを一気に剥ぎ取った。 「そぉい!!」 「ゆぎぃいいいいい!! あんよがぁあああああ!!」 ぐにぐにと動くまりさを押さえつけて底面を見ると、棘の刺さった痕が規則的に並んでいた。 そこから餡子汁が滲み出しているが餡子は漏れておらず、傷口は皮の圧力で締まっているのでしばらく安静にしていれば治るだろう。 「ほれ」 「ゆぎゃぁあああああああ!!! あんよがぁああ!! ――ぐぶぇえ!!」 男がまりさを地面に落とすと、まりさは絶叫を上げてあまりの激痛のためか餡子を少し吐き出した。 「じじぃ……ゆ゛っぐりじねぇ……」 「おまえなぁ、親切で助けてやったのにそういう態度かよ」 そのまりさの様子を見て、れいむが目を見開いている。 「ゆっ、ゆっぐりやめでね! れいむはおうちにかえるよ!!」 男はれいむを持ち上げると同様にシートを剥ぎ取ってやった。 「ゆびぇえええええ!! でいぶのあんよがぁああああああ!!」 れいむは落とさずに、ゆっくりと芝生の上に降ろしてやった。 「ゆ゛う゛ぅう!! あんよがじくじくするよ!! はっぱさんでいぶのあんよをじくじくしないでぇえええ!!」 どうやら、芝生が傷口に刺さって痛いらしい。 「それじゃ、おまえらそこでゆっくりしてろ。動かなければそのうち治るだろ」 男は足元でもだえているまりさとれいむに告げると公園から立ち去った。 背後からなにやら恨み言が聞こえてきたが気にしなかった。 駐車場に戻った男がバイクの油温計に付いた時計を確認すると、すでに時刻は6時半を過ぎていた。三十分以上ゆっくりの相手をしていたことになる。 早朝のこの時間に、ゆっくりの罵声はかなり近所迷惑だったのではないだろうかと不安になる。 せっかくのツーリングなのに、出発前のアクシデントでいきなりテンションが下がってしまった。 男はヘルメットをかぶってあご紐を止めるとバイクに跨った。 近所迷惑にならないように、ゆっくりとアクセルを開けて道路へと出て行く。 男はふと、ゆっくりを置いてきた公園が猫の集会所になっていたことを思い出した。 「猫ってゆっくり食べるのか?」 とりあえず、帰ってきたら公園に確認しに行こうと思いながら、男は久しぶりのツーリングへと出発した。 #おまけーね 男が立ち去った後、公園にはれいむとまりさが取り残された。 二匹は何度も跳ねることができないか試してみたが、あんよに力を入れるたびに激痛がするため、まったく跳ねることができなかった。 それならば、そろ~りそろ~りと這ってみようとしたが、少しでも動こうとすると傷口に芝生が突き刺さり再び激痛に泣き叫ぶことになった。 「ゆぅうう、あんよがじくじくするよぉ」 「はっぱさんがいだいんだぜ……」 二匹は移動することは諦めたらしく、、なんとかして芝生からあんよを離そうともがいている。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ――ゆびゃぁああ!!」 れいむが体を後ろに傾けてあんよを芝生から浮かそうとするが、力んだために傷口が圧迫されて体内から餡子汁が滲み出してしまう。 やがて、無理な体勢に限界が来て力を抜いてしまうと、芝生が激しく傷口に突き刺さるのだった。 そのような無駄な足掻きを繰り返しているために、二匹の傷口は治るどころか悪化してしまっていた。 安静にしていればゆっくりの理不尽な再生力により、数時間で這うことができるぐらいまでは回復可能なはずだったのだが。 「ゆ゛っ!! まりさはよいことおもいついたぜ!!」 まりさは舌を延ばし、自分のかぶっている帽子を目の前に逆さに落とすと、 「ゆ゛ぐぅうう! ぞろ~り゛、ぞろ~りぃいい!!」 と、痛むあんよを無理やり動かして帽子の上に移動した。 「ゆふぅ~、これであんよがいたくないんだぜ!! ゆっくりー!!」 芝生があんよに触れなくなり痛く無くなったまりさは、「ゆふん!」とふんぞり返った。 「ゆゆっ、すごいよまりさ! れいむもゆっくりおぼうしにのらせてね!!」 そう言ってれいむがまりさの帽子に乗せてもらおうとするが、 「ゆっ? まりさのおぼうしはひとりようだぜ!! れいむはゆっくりがまんしてね!!」 とまりさはそれを拒否した。 「どぼじでそういうごどいうのぉおおおおおおお!! れいむはまりさのはにーでしょぉおおおお!!」 「そんなこといっても、おぼうしにはひとりしかのれないんだぜ!!」 などと言い合いをしているうちに、日の出の時間になり公園に朝日が射してきた。 「ゆ? おひさまがでてきたよ!!」 「ゆふぅ、おひさまがあたるとぽかぽかだぜ!! ゆっくり~♪」 「ゆぅうう……、あんよがゆっくりできないけど、おひさまはゆっくりだよぉ~」 朝日に当って暖かくなってきたためか、先ほどまでの言い争いも忘れて二匹はゆっくりし始めた。 れいむはあんよが痛いようだが、日射しに当って暖かくなってきたためか幾分か痛みが和らいでいるようだ。 やがて日が完全に昇ると、公園の広場にどこからともなく近所の猫たちが集まり始めた。 一匹、二匹とやって来ては芝生の上に寝そべって日向ぼっこを始める。 猫たちは、自分たちの集会所にゆっくりがいるとこをいぶかしんでいたが、とくに気にせずに思い思いの場所にねころんでいた。 「ゆふぅ~、ねこさんたちもゆっくりだよ」 「ゆ~、ここはまりさのゆっくりぷれいすだぜ」 れいむとまりさも最初は猫たちを警戒していたが、ゆっくりした猫たちをみて安心してゆっくりしはじめた。 だが、しばらくすると好奇心の強い若い猫たちが二匹に興味を持ち始めた。 いつも耳障りな雑音を発して跳ね回っているこいつらが、なぜ自分たちの集会所に居座っているのだろうか? と一匹の黒猫がれいむとまりさの前に歩み出た。 「ゆ? ねこさんゆっくりしていってね!!」 「ゆふ~、ねこさんもゆっくりするんだぜ!」 普段ならば自分が近寄るとはねて逃げるか飛び掛ってくるこいつらが、なぜかその場から動こうとしないのだろう? と黒猫は疑問に思った。 「ゆっ、なにかようなの? れいむはゆっくりしてるからあっちいってね!!」 「ゆふぅ、まりさのゆっくりぷれいすからでていくんだぜ!!」 なにやら言っているようだが、この人間の顔のような物体をみていると無性に腹立たしくなる。 黒猫は、おもわず前足をれいむに向けて繰り出していた。 「ゆぐっ!! あんよがいたいぃいいい!!」 それほど力をいれなかったのだが、目の前の物体が悲鳴を上げる。 黒猫はそれが面白くなってもう一度、こんどは力を込めて猫パンチを繰り出した。 「ゆ゛ーーっ!! どぼじでそういうごどずるのぉおおお!!」 「ゆっ、ねこさんやめるんだぜ!! ゆっくりしてないぜ!!」 黒猫が攻撃しても、目の前の物体は叫び声を上げるだけで動こうとしなかった。どうやら動けないらしい。 楽しくなってきたので、もう一度と黒猫は身構えたが、もう片方の黒い奴の背後から顔見知りの茶トラの猫が近づいているのに気が付いた。 まりさに後ろから忍び寄った茶トラが右前足を振り上げる。 「ゆべっ!!」 と茶トラの振り下ろした前足に後頭部を強打されたまりさが、叫び声を上げる。 「ゆぐぁあああ!! あんよにひびぐぅううう!!」 「ゆ゛ーーっ!! やめてね、ねこさんあっちいってね!!」 それを見たれいむががふるふると震えている。 黒猫は今度は爪を出し、れいむの頬目掛けて前足を振り抜いた。 「ゆあ゛ぁ!! でいぶのかわぃいぽっべがぁあああ!!」 黒猫の爪はれいむの頬に、三本の傷跡を刻んだ。 「ゆうぅううう、やべるんだぜ!! これいじょうしたらおこるんだぜ!! ぶひゅ~~!!」 まりさが膨らんで威嚇するが、後ろから叩かれて息を吐き出してしまう。 二匹の猫を見ていた他の猫たちが、なにやら面白そうなことをしていると集まりだした。 先ほどから眺めていて、れいむとまりさが動けないことがわかったので、まだ他の猫たちより一回り小さい子猫まで寄ってきていた。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、やめてね! やめてね!」 「ゆ゛ーーっ、やめるんだぜ!! いまならゆるしてやるんだぜ!!」 数匹の子猫たちがペシペシとれいむに攻撃を加える。 一匹の子猫が、れいむの頭上でヒラヒラと揺れるリボンに気が付き、れいむの頭の上に飛び乗った。 そのままカリカリとリボンに爪を立てる。 「でいぶのすできなおりぼんにさわらないでぇえええええ!!」 一方、まりさのほうは成体の猫たちに袋叩きにあっていた。 「ゆびぇ!! ――ゆぎゅ!! ――やべでぇえええ!!」 と、猫たちが交互にまりさを突き飛ばしている。 まりさがひときわ大きな猫に体当たりされて帽子の上から転がり落ちると、別の一匹が帽子を加えて振り回しはじめた。 「ゆ゛ぅううう!! ばりざのおぼうじかえすんだぜぇえええええ!!」 ヒラヒラと振られる帽子に、狩猟本能を刺激された猫たちが踊りかる。 やがて数匹の猫に爪を立てられ、噛み付かれて、まりさの帽子はずたぼろになってしまった。 「ゆぎぁああああ!!! ばりざのぼうじがぁあああああ!!!」 「ゆぐぅううううう!!!! ぺしぺししないでぇえええええ!!」 早朝の公園に、猫たちの楽しそうな鳴き声と二匹のゆっくりの悲鳴が鳴り響いていた。 このSSに感想を付ける
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ゆっくりくずまんじゅう ※若干うんうん注意 赤ゆっくりいじめです 私は里で和菓子の店を営んでいる。 店の名前は水逸(すいいつ)という。創業当時からの名前だ。 断じて「すいーつ」と読まないでいただきたい。断じて。 今回は新商品のお披露目ということで、射命丸 文さんが取材に、来ていない。 「流石は人気店、厨房も充実していますね。おお老舗老舗。」 今私の目の前にいるのは、射命丸さんの使いのきめぇ丸さんだ。 「・・・・・。」 内心の落胆を隠せているかどうか。これが本物の文さんだったら私は・・・・! 「どうかしましたか?」 「いえ。」 きめぇ丸という種はゆっくりでありながらその高い知能により、 このような仕事も任せられる程に人間と共存出来ている。 そう、ゆっくりだ。 ゆっくりの登場は、幻想郷の甘味事情を一変させた。 タダ同然で餡子やカスタードが手に入るようになり、 従来より安価な菓子が大量に作られるようになった。 その為、多くの甘味店(ゆっくりを前面に押し出した店も多い)が雨後の筍の如くに興った。 最も、ゆっくり加工場が出来てからは野生のゆっくりを直接捕まえ 即調理ということはほとんどなく、加工場印の餡子を仕入れる。 加工場では野生のゆっくりを捕まえるだけでなく、 施設内で養殖、更に品種改良まで行っているという。 こうして、加工場を中心にゆっくりが取引されるという構造が出来上がったのである。 だが、私から言わせてもらうなら・・・・ ゆっくりにだけ頼っているようでは、和菓子職人としては二流だ。 餡子は何で出来ているか? (最近はゆっくりからしかとれないと思っている子どもが増えているらしい・・) 無論、小豆だ。 自分の足で小豆の農家へ出向き、指と目で豆を選び、舌を頼りに味付けして、 納得出来る味に仕上げてこそ、和菓子を語るに足りる。 しかし・・・今回私はゆっくりを使った和菓子を作ることになった。 このような運びになっているのは加工場からの依頼がきっかけである。 『里屈指の老舗である水逸さんに新商品開発を協力していただきたい。 条件は一つだけ。ゆっくりを使ったものであること。』 自分の店でゆっくり菓子を出すことなど毛程も考えないが、 私も和菓子職人の端くれ、新しい菓子を作ることには興味を禁じ得ない。 更に、今回の仕事を成功させることは、私の精進の足しにもなるのではないか。 そう考えた私は、試行錯誤の末、今日の文々。新聞の取材を受けるに至ったのである。 「では、作業に移ります。」 「どうぞどうぞ。」 まず私は、今回の「材料」の入ったかごのふたを開ける。 すると。 「・・・ゆっ!!やっちょでりゃれりゅんだじぇ!! じじいはまりしゃしゃまたちにごはんもっちぇくるんだじぇ!!」 「あまあまのにおいがしゅるよ!!ここをれいみゅたちの ゆっきゅりぷれいしゅにしゅるよ!!じじいはでちぇいってね!!」 「これはこれは。威勢のいいのが手に入りましたね。」 「・・・・はぁ。」 これだからゆっくりは嫌なんだ。 試作段階でゆっくりを相手にしてきてわかったのは・・・・ 最近ではおとなしく、利口で純粋なゆっくりはペットとして飼われる事が多いため、食用にま わされるのは馬鹿だったり、俗にゲスと呼ばれている種類が大半を占めているという事だ。 ゆっくり料理専門店の料理人などはある意味尊敬する。 いまだかごの中でゆぅゆぅ生意気言っているのは、今回の製品に合わせた ピンポン球サイズの10匹の赤ゆっくり達だ。れいむ種とまりさ種が半々である。 昨日加工場から送られてきたものを一晩放置したものだから、口々に餌を要求してくる。 挙句、かごの中はゆっくり達の排泄物(彼らは「 うんうん」と呼んでいるらしい)が散乱している。 実際、これは古い餡子らしいから下ごしらえとして好都合な訳であるが。 「じじいはれいみゅのうんうんでもたべちぇね!!しょしたらゆりゅしてあげりゅよ!!」 「「「たべちゃね!!」」」 きめぇ丸さんはこれらの様子をパシャパシャとカメラにおさめている。 私はゆっくり達を掴むと、流し台の桶に入れていく。 「ゆ~~~♪おしょらをとんでるみた・・・じじい!! ここはさっきよりもしぇまいよ!!ぷんぷぷぷぷ!!!」 騒ぐ口に水流を浴びせてやる。 「がぼがぼ!!」 「ちゅめたくてきもちいよ~~~!!」 饅頭達を洗う手をそのまま握り込みそうになるが我慢。 射命ま・・・きめぇ丸さんだって見ているのだ。 洗い終わったら、ふきんの上で水気を切る。 「ぷりゅぷりゅぷりゅ!!!」 風呂上がりの犬とかがやったら可愛い仕草も、こいつらがやると苛立ちしか感じない。 「「「「しゅっきりーー!!」」」」 「つぎはごはんなんだじぇ!!ふろのあとはごはんを よういしゅるとしょうばがきまっちぇいるんだぜ!!」 私はお前の嫁か。 私の嫁はあや、何でも無い。 さて、いよいよ本格的な調理だ。 一匹の赤れいむを手に取る。 「おしょらをry」 そして、おもむろに顔の側面から。 「ゆ~~♪ゆゆゆ”!!」 包丁を入れる。 絶叫。 「ゆっぎゃあああああああああああああああ!!!!」 「「「でいぶ!!!」」」 そのまま桂剥きの要領で背中の方へと刃を進める。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!」 「やべじぇあげでね!!いぢゃがっでるよ!!!」 「やべでばやぐゆっぐりじゅるんだぜえぇぇ!!」 抗議の声などどこ吹く風。もう慣れた。 「いい絵です。」 苦悶のゆっくり達にとっては場違いなシャッター音が連続する。 目と口を傷つけないように刃が一周した。 「かぴ・・・かひぃ・・・」 剥かれた赤れいむの体は丁度破れ饅頭のように 薄皮だけを残して、黒々とした餡子が透けている。 きめぇ丸さんがふいに剥けれいむに顔を近づける。 「ふぅー」 「ばびぃっ!!!ばびびびびびび!!!」 「おお、まるで痛風ですね。」 吐息さえも激痛らしい。 もちろん吹いた瞬間の彼女は脳内変換されて私の記憶におさまった。 残るは9匹か。 ボウルに手を伸ばす。 「ま”ま”ま”!!ま”りしゃじゃなくてこっちのれいみゅがやりたいっていってるぜ!!」 「どぼじでぞんなごぢょいうのおおおおぼぼ!!」 ゲス赤まりさの帽子を取り上げる。 「ゆ”!!おぼうじがえじぢぇ!!」 帽子を追って飛び上がったところを反対の手でキャッチ。 「次はお前だ。」 「ゆぐ・・・・ゆぐぐ・・・」 剥き終わった10匹を机の上に並べると、私は次の作業に移る。 鍋に水を張り、その中に白い粉末を入れる。これが今回の肝だ。 更に砂糖を加えてかき混ぜ、ざるでこしたものを火にかける。 「素晴しい表情ですね。」 背後ではきめぇ丸さんが哀れな餡子玉10個を撮り続けている。 「そうだ。」 どこから持ってきたのか、彼女は鏡を10匹の前に置く。 「びふぉーあふたー」 「「「ぱ・・・ぱぴぷぺ、ぽおおおおおおおおおお!!!」」」 「べびびゅのやわはだがあああああ!!」 「ぎょんなのずーばーはんしゃむばりざざまじゃないんだぜええええ!!」 「おお、劇的劇的。」 阿鼻と叫喚の混声合唱な背後をよそに、鍋の中では変化が起こっていた。 水に徐々に粘り気が出てきて、色も透明から白っぽい半透明へと。 ここからは焦がさないようにへらでかき混ぜる。 「よし。」 鍋を火からあげておき、今だ叫び続けている10匹に向き直る。 調理ばさみを手に取ると、ゆぐゆぐ泣いているれいむの口に突っ込む。 「ぼうやみぇで・・・」 すぱっ。 舌を根元から断ち切る。 「!!ひゅひゅ!!!ひゃふぇてふゅふぇへへへ!!」 喉の奥で刃先をぐりぐりと回す。 「~~~~~!!!~~~~~!!!!」 これで、れいむの口はものも飲み込めないし、声も出せなくなった。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ””!!!!」 「でいみゅのびせいがあああああ!!!」 騒ぐ残りにも全く同じことをする。 「「「~~~~!!!~~~~!!!!!!!~~~~~!」」」 「随分静かになりましたねえ。」 ゆっくりをゆっくりさせないことが至上である きめぇ丸さんは悲鳴が聞けなくなって少し残念そうだ。 「これからもっと面白いものが見れますよ。」 その後、5匹ずつにゆっくりを分ける。 片方は放置し、もう片方のゆっくり達の目を、匙で抉る。 口も同様に、ごっそり抉る。 5匹の顔は3つの穴が空いて丁度ボーリングの玉のようになった。 この間も、5匹は小刻みに痙攣している。 その空洞に餡子(自家製)を詰め、小麦粉で薄く覆っていく。 「これは・・・」 きめぇ丸さんも感嘆?している。 のっぺりと更地になった5つの震える顔面がこちらを向く。 そこへ、用意しておいた焼き鏝を押し付ける。 じゅ~っ。 一際大きく震える5匹。 鏝を外すと、そこには _,,........,,_-''" `''\ヽ \ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 小生意気な笑顔の典型的「ゆっくり」の顔が浮かんでいた。 もはや焼き鏝に失礼な刻印だが、加工場からの注文だから仕方ない。 「次で最後の工程です。」 「いよいよなのですね。」 私は10匹の飾りを外す。どうせ食べられないのだが後でつけ直すのでとっておく。 先ほどの鍋の中から、まだ熱い半透明の液を一匙、まな板に広げる。 その上に、顔を整形していない方の赤まりさをのせる。 「~~~~~~~!!!(あぢゅいいいいいい”!!!)」 声は出ないが顔の動きから熱さで相当苦しんでいることがわかる。 少し待って、膜状に固まった半透明の皮で、赤まりさをくるむ。 ちなみに、ゆっくりの口内を破壊したのはこの皮を食べないようにする為だ。 丸まったそれを、氷水を張った桶の中に入れる。 ちゃぽん。 「ご主人、これは・・・」 きめぇ丸さんにもわかってきたようだ。私が何を作っているのか。 そうこうしているうちに、最後の一個が氷水に沈んだ。 (ざざざざざざびゅい・・・ざぶういよぉ・・・) 寒さに震えるもの言わぬ饅頭達が、震えて氷をからん、と鳴らす。 「完成です。」 10個の饅頭を、皿へと並べる。 「おお・・・・」 「ゆっくりしていってね!!!」と言わんばかりの憎たらしい表情と、 白目をむいた醜い表情を、半透明の艶やかな膜ーー葛が覆っている。 「これが新製品、『ゆっくりくずまんじゅう』です。」 「クズ饅頭に葛の化粧とはこれいかに。」 今一度シャッターを切る音が響く。 「お一ついかがですか?」 「よろしいのですか?」 「ええ、きめぇ丸さんがゆっくりさせなかった おかげで、いい仕上がりになっていると思いますよ。」 「では、お言葉に甘えて。」 きめぇ丸はれいむを手に取り、リボンを外して口に入れた。 ひんやりとした葛の下から、責め苦で甘みとコクが増した餡子が溢れる。 (あんこでじゃううう!!・・・い、いぢゃいよぼ!!べびぶだべないでぽぉ!!) まだ生きているその体は痙攣し、葛のぷるぷるとした食感と相俟って実に心地よい。 (ゆ”っ・・・・ゆ”) 清涼感と甘さ、今までに無い食感がそこにはあった。 「素晴しい。私も舌が肥えた方ではありませんが、これは・・・」 「ありがとうございます。」 きめぇ丸さんからの賞賛に、私は歓喜した。 (やったよ文さ・・・) 「き!め!ぇ!丸!!いやこれは、 う!め!え!丸!!!!!」 ぶぅぅぅぅぅぅぅん・・・ 「その動きはだめえぇぇぇぇ!!」 『ゆっくりくずまんじゅう』の売れ行きは好調である。 文々。新聞での大々的な宣伝が効いたようだ。 更に、「虐待派」が存在するゆっくりならではの特別な商法も功を奏した。 普通に「葛饅頭」を想像してきた人には焼き鏝笑顔の饅頭を。 「クズ饅頭だと!?それは一体どんな食い物だゲァハハ!!」 というちょっとアレな人には天然顔芸の苦悶饅頭を。 流石は加工場、求められるものがわかっているというか。 かなりの個数が求められる今でさえ、私が一個一個手作りをしている。 無論、私の店には置かないし、店の商品の 仕込みもあるので激務と言えば激務なのだが・・・。 現に仕込み中の今、足下に固定した親れいむを思いっきり、蹴る、蹴る。 「ゆっ!!ぶっ!!がぼっ!!やべでえええええ!!! あがじゃんがえじでねえええええええええ!!!!」 私も、目覚めてしまったようだ。 〈fin〉 あとがき 前々からやりたかった料理ものです。もはや何番煎じかはわかりませんが・・・。 この後加工場へ「顔が笑ってるほうが旨いのは何故か?」という質問が来ますが、 それはこの職人さんお手製の餡子が目と口を埋める時に使われてたからで、 それを知った職人さんは自分の腕も捨てたもんじゃないなと少しほっこりしたりします。 全ての虐待ファンの方に感謝を。 またお目にかかる機会があったらよろしくお願いします。 今までの作品 紅魔館×ゆっくり系8 ゆっくりゃバーガー 虐 ゆっくり加工場系18 ゆっくり連環腿 虐 薬 道 慧音×ゆっくり系5 ゆっくり奇々怪々(上) 慧音×ゆっくり系6 ゆっくり奇々怪々(中) 慧音×ゆっくり系9 ゆっくり奇々怪々(下) その他 にちょりは仲良く暮らしたい。 ゆっくりいじめ小ネタ213 ゆっくり鞭打 by 少女Q
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ミカン 「あー・・・冬はやっぱこれだな・・・」 炬燵の上には熱いお茶に煎餅、そしてミカン。冬の定番スタイルである。 半纏を羽織った男は一人茶を啜る、こんな寒い日は家でのんびり過ごすのに限る。 ドムドム・・・ 不意に戸に何か当たるような音が響く、はて?と男が戸口に向かうと 「ゆ!あいたよ!」 「ここはゆっくりできそうだね!」 「ゆっきゅり~」 「ぬくぬく~」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そこにいたのはゆっくりだった。 大きいまりさとれいむが1匹ずつ、そしてそれらの赤ちゃんと思わしき小さなゆっくりが各種3匹ずつ。 どうやらこの饅頭一行は家族らしい、何のようかと男が考えていると 「ゆゆ!?なんでれいむたちのおうちににんげんがいるの!?」 「にんげんはさっさとまりさたちのおうちからでていってね!ここでゆっくりしたいならごはんをよういしてね!」 「ちょーだちょーだー!」 「まりちゃたちのためにごはんよういちてね!」 開口早々のおうち宣言、あまつさえ食べ物を要求してくるとは流石饅頭、そこにムカツク腹が立つぅ!! ここで潰してもよかったが、男もちょうど暇をしていたところなのでゆっくりたちを部屋へと上げることにした。 「ふむ、なら食べ物を用意してあげるからこっちにきなさい。ここよりも暖かいしね。」 「わかったよ!ゆっくりついていくよ!」 「おいしいごはんたくさんよういしてね!」 「れいみゅいっぱいたべりゅよ!」 「おねぇちゃんじゅりゅい!まりちゃだっていっぱいたべりゅよ!」 ワイワイガヤガヤやかましく男についていく饅頭一家。 途中、この一家に冬篭りをしないのかと尋ねたところ 「もりはたべものもないし、さむくてゆっくりできないよ!」 「これからはここでゆっくりするんだぜ!おじさんもまりさたちのけらいにしてとくべつにゆっくりさせてやってもいいんだぜ!」 俺まだ20なんだけどなぁ、男はぼんやりとそんなことを思う。 どうやらこの一家は越冬の準備をせず遊び呆けていたようだ。 そしていざ冬になり、にっちもさっちもいかず人里へと出てきたらしい、だらしねぇな。 「さて、それじゃミカンを食べさせてあげるから皆口をあけてね。」 「ゆっくりわかったよ!ゆっくりはやくおくちにいれてね!」 久々の食事にありつける、その思いにゆっくり達の目はキラキラと輝く。 そしてミカンを持った男の手が一家へと伸びた次の瞬間 「ばるす」 「「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!?」」 「「ゆゆゆゆゆ!?おとーしゃんおかーしゃんどーじだのぉぉ!?」」 男は手に持っていたミカンの皮を勢いよく絞り汁を飛ばしたのだ。 「ゆごおぉぉぉぉ!! い”だい”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃぃぃ!!!」 「まりさのおめめがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 まりさは激しく首?を振るように転げまわっている。 れいむに至っては顔面を畳に激しくこすり付けている、おぉ激しぃ。 そんな両親の奇行に恐怖したのか、あるいは潰されてはたまらないと思ったのか赤ちゃん達は部屋の隅で小さく固まっている。 「おとーしゃんたちはゆっくりこっちにこないでにぇぇぇ!!」 「そっちでゆっくりしててにぇぇぇ!!」 「「どおじでぞんなごというのおぉぉ!! ゆっくりしないでだずげてよおぉぉぉぉぉ!!!」」 うわぁ、赤ちゃんドン引きしてるよ、てか泣きはいってるし・・・ そうして暫らくこの苦しみは続いた。 「ゆはぁ・・・ゆはぁ・・・」 「くぉはぁ・・・くぉはぁ・・・」 数分後、ようやく痛みも和らいだようで2匹は落ち着きを取り戻した。 「いきなりなにするのぉ!!」 「ひどいことするじじいはさっさとしねぇ!!」 「ちょーだちょーだ! ゆっくちできにゃいじじぃはまりちゃちゃちにょおうちかりゃでてっちぇにぇ!」 「ゆっくちちないでちゃっちゃっとちんでね!」 ここで先程まで両親を見捨てていたちび達も手を返したように攻勢に出始める、現金なものである。 饅頭一家がぷくっと膨らんでプンプンと言いながらぼむぼむと跳ねている様は、中々に滑稽である。 しかし、この光景に水を差すように両親達が奇妙な声を上げた。 「・・・ゆ? なんで・・・?」 「ゆ? どうちたのおかーしゃん?」 「・・・うそなんだぜ?・・・どうして?」 「ゆうぅ? おとーしゃんもどーちたの? しゃっしゃとじじぃをやっつけようよ!」 「「どうじで れいむ(まりさ)のおめめが みえないのおおおおおおおお!!!???」」 「「ゆゆゆゆゆゆゆゆううううううぅぅぅぅ!!???」」 なんとこのゆっくり達、ミカンの汁で失明してしまったらしい。 んな馬鹿な、男がれいむを手に取り強引に目蓋を持ち上げる。 「ゆぎぃ!?」 どうやら目玉の表面が溶けてしまったらしい。人間でも確かに痛い、しかしまさかこれで失明するとは・・・。 そういえばゆっくりの眼球は寒天らしい、寒天の強度ではミカンの酸に耐えられなかったのだろうか? 「ゆべぇ!?」 「れいむぅー!?」 「「おかーしゃーん!!」」 うーんと唸りながら男はれいむを床に放り投げた。 れいむは見えないこともあり上手く着地できず、二転三転してようやく止まった。 「ゆっぐぢやべでぐだざいいぃぃぃ!!」 「もうまりざだぢにひどいこどじないでぐだざいぃぃぃ!!」 とうとう両親は泣き出してしまった、さっきまであんなに強気だったのに折れるのが何とも早い。 だが、これ以上こいつらを痛ぶって餡子が飛び散って汚れるのも面倒だ。 何より目が見えないなら、しばらく放って置いた逃げられはしないだろう。 男はそう判断し、次の獲物へと向かっていった。 「ゆゆゆ!? こっちにこにゃいでえぇぇぇ!?」 「ゆっくちちゃちぇてよおぉぉぉぉ!?」 「ゆー!?あかちゃんたちにひどいことしないでね!?」 「みんなゆっくりしないではやくにげてねえぇぇぇぇぇ!!!」 赤ゆっくり達は慌てて逃げ始める。しかし部屋の中ではそれも限界があり、あっというまに追い詰められてしまった。 「おねがいじまずうぅぅぅぅぅ、れいぶはどうなっでもいいでずがらあかちゃんたちにひどいことしないでぐだざいいいいい!!」 「まりざも!まりざもどおなってもいいでずがら! おねがいじまず、おにいざんんんんん!!」 「・・・ふむ、君達のお母さん達はああ言ってるぞ。いい親を持ったね。」 「ゆぅぅぅ、おがーじゃんありがおおぉぉぉぉぉ!!」 「まりじゃだちだずがっだよぉぉぉぉぉ!!」 ゆーんゆーん 途端始まる大号泣、なんとも感動的ではないか。 「「おに”い”ざんあり”がどう”ございまずうぅぅぅぅぅ!!」」 「「あ”り”がどお”ぉぉぉぉごじゃい”まずうぅぅ!!」」 男は一息つき赤ゆっくり達へと近ずく、ちび達は助かったものだとニコニコして男を見上げている。 そして手の届くほど近づいて、男はにこりと優しく微笑みを浮かべた。 「だが断る」 ピュピュッ 「「!!??? ゆぎゃあああああああああ!!!!!」」 「いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「あぢゅいぃぃ!? あぢゅいよおぉぉぉ!!」 「ど、どうじだのおぉぉぉぉ!?」 「おにいさん!! ゆるしてくれたんじゃなかったのおぉぉぉぉ!?」 「ん?何が?」 「なにがじゃないよ”おぉぉぉぉぉ!!」 「あかちゃんだぢはゆるじでぐれるっていっだのに”いぃぃぃぃ!!」 「いやいや、俺一言もそんなん言ってないよ?」 「ゆゆ”ぅ!?」 「俺はいい親持ったねって言っただけだし。」 「ゆ”ぎいぃぃぃ!? だまじだねぇぇぇ!!?」 「うぞづぎのじじいはいまずぐじねえぇぇぇぇぇ!!!」 両親は体をぐにゃりと潰し力を蓄えた。 そして、次の瞬間ゆっくりらしからぬすごい勢いで鬼の形相の2匹は激しく飛びついた! 炬燵に。 「「ゆべぇ!?!」」 あーあー、目が見えないそんな激しく動くから・・・うっわぁ顔へこんでるよ。あ、餡子吐いた。 「「ゆ”っぐぐぐぐ・・・よけるなひきょうものぉ!!」」 「いや、俺動いてないし。」 「「う”があ”あぁぁぁぁぁぁぁ!!」」 余程気にさわったのか顔を真っ赤にし暴れだし、ついには狂ったように炬燵の足に体当たりをしはじめた。 「おいおい、ものに八つ当たりするとか、お前ら子供かよ。」 「「うる”ざいぃぃぃ!! おま”え”はざっざどじね”え”えぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 「ププッ 俺に当てられないからって物壊して満足ですか。 おお、無様無様(笑」 「「ぶぎい”いぃぃぃぃぃ!!!!」」 「ブギーって豚かよ(笑 いや、こんなこと言ったら豚に失礼だな、ごめんねぶ・た・さ・ん☆キラッ」 「「・・・・・!!!!!!!」」 目が見えなく耳に頼っている分、なまじ言葉に対して敏感になっているのだろう。 返す言葉もなくなったか、ついには只黙々と炬燵を攻撃するのみになってしまった。 しかしそれすら饅頭には叶わぬらしい。 ダバダバッシャァ!! 「「あ”ああああぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅうぅぅ!!?」」 「ぶふぅっははははははははは!! おま、おまえらねーって!! 」 卓上に置いてあった急須と茶碗が見事に直撃したのだ! なんという奇跡!! 「ちょっ!ちょっとまじで勘弁してくれ!! 腹筋がつる!!」 「「わ”ら”うな”あぁぁぁぁぁぁ!!」」 ゼーハーゼーハー あーびっくりした・・・まさか饅頭ごときに殺されかけるとは・・・腹筋鍛えて置いてよかったわ・・・。 男が落ち着きを取り戻し改めて暴れ饅頭に目をやる頃には、2匹はゅーゅーと力なく呻くだけになっていた。 「よし!」 男は二度三度深呼吸をし、放置していた赤ゆっくりの元へと向かった。 「ゆげ・・・あぢゅいよおぉ・・・」 「まりじゃの・・・まりじゃのほっぺがあぁ・・・」 長いこと放って置いた為かかなりぐったりしている。 いかん、あちらに気を取られ過ぎたかと男が反省していると 「・・・ゆぎゅ!? あ”あ”あ”ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 ブピュー! 「まりじゃあああぁぁぁぁぁ!?」 「いぎなり”どおじだのおぉぉぉぉ!??」 突如一番小さな赤まりさが餡子を噴出しはじめ、ざわめき立つ赤ゆっくり。 どういうことなの・・・? 男にはわけがわからなかった。 先程男がミカン汁を赤ゆっくり達にお見舞いする際、親の時のように目だけをピンポイントで攻撃できなかった。 これは、目前で親に起こった惨劇を見た赤ゆっくり達がいくら馬鹿でも男に対し警戒をしていたからだ。 一度助かったと安堵しきったちび達を、一気に絶望に叩き落すという「持ち上げて落とす」心理効果のためには気取られてはいけない。 そこですばやく全てのゆっくりに苦しみを与えるため、狙う余裕がなかったのだ。 結果、ちび達は目はもとより体中にコレを浴びることとなった。 では何故破裂をおこしたのか? 風船にミカン汁をかけると破裂するという理科の実験をお知りだろうか、アレと同じ原理である。 特に小さいゆっくりは皮が薄くちょっとしたことで破れてしまう。 成長したゆっくりならともかく小さな個体には少量のミカン汁でも充分な脅威となるのだ。 また小さなゆっくりは中の餡子も水分が多く、ちょっとした傷でも餡子が激しく流出してしまう。 結果・・・ 「ゆゆ! れいみゅがらみょあんこでてるうぅぅ!?」 「だめえぇ!! ゆっきゅりできにゃぐにゃ”っぢゃう”ぅ!! 」 「あんこさんゆっっぎゅりどまっでぇぇぇ!! ゆっぎゅりじでっでよおおおお!!?」 次々と餡子の噴水をあげる赤ゆっくり達、まさに阿鼻叫喚である。 「おに”いじゃんみでないでだじゅげでよおぉぉぉ!!」 「おにぇがい”じまじゅうぅぅぅ!!」 「おいおい、君達ゆっくりしてないなぁ。 ゆっくりしていってね!」 「「ゆ”っぐぢできにゃ”い”いぃぃぃぃ!!」」 この時、男の言うようにゆっくりじっとしていれば餡子の流出もゆるやかになり、少しは生き長らえただろう。 だが餡子の流れ出る恐怖と焦り、そして酸が体を溶かす痛みに耐えかね赤ゆっくり達は騒ぎ続けた。 暴れて餡子が飛び出し、これにより体が心が傷ついてゆく。これに耐えかねさらに暴れて・・・。 数分後、ちび達は満足に動けなくなってしまった。 そして 「「・・・もっどゆっぎゅりじだがったぁぁぁ!!」」 最後にこう言い残し、終には二度と動くことはなくなってしまった。 「さて・・・と。」 男は赤ちゃん達だったものに一瞥くれると、親の元へと向かった。 「ごろず・・・ごろず・・・」 「じね・・・じね・・・」 「あらら、こりゃもうだめだな。」 2匹の親ゆっくりは壊れたレコーダーのように恨み言を繰り返すだけになってしまっていた。 これ以上いじっても大した反応は望めないと思った男は、叩き潰そうかと考えたが 「・・・ふむ。 あんなに笑わせてもらったし、せっかくだからもっとゆっくりさせてあげよう。」 と2匹を掴み上げ玄関へと向かっていった。 もはや2匹に抵抗する力は無く、されるがままであった。 そして外に出た男は2匹を雪の上へ、まるで割れ物でも扱うよう丁寧に置いた。 もっともこの行為は優しさからでなく、さっさと死なれても詰らないと考えたからだった。 「ここなら死ぬまでゆっくり出来るよ。 それじゃゆっくりしんでいってね!」 男はそう言い残し家へと入っていった。 後はゆっくり朽ちるのみ・・・ 男の虐待はこれで終わったかに思われた。 しかし2匹にとっての本当の虐待はここからであった。 シンシンと降り積もる粉雪、その冷たさはゆっくり達の体から容赦なく熱を奪っていく。 煮えたぎっていた餡子が冷やされていった結果、2匹はここで不幸にも正気に戻ってしまった。 その結果、この饅頭達は死ぬまでの時間を長く長く苦しんだ。 全身を襲う激痛 死にたくないという恐怖 家族を失ったことへの悲しみ 人間の家に近づいた後悔 もっとゆっくりしたかったという願望 そして冷えた餡子にも関らず、未だ心の奥底で渦巻く憤怒 これらの感情が激しく2匹の中を暴れ狂う。 もしも怒りの中で狂気に包まれ逝けたなら、こんなにも苦しまなかっただろう。 もし満足に動けたなら、暴れて気を紛らわせられただろう。 口が動けば叫び、この気持ちを訴えることが出来ただろう。 目が使えれば、思いを涙にこめて流すことが出来ただろう。 だがそれは叶わない ここには 誰もいない 何もない 音すらも ただあるのは雪 熱を奪い 全てを白へと還し 平等に死を与える ただそれだけ 静寂に包まれた死の世界で、2匹は永遠とも思える苦しみを味わった。 春 雪が溶ける頃、男が玄関先で様々な負の感情を練り固め凝縮したような何とも言えない饅頭を見つけるのはもう少し先の話である。 ちなみに 「・・・・・なに、これ?」 冷静になった男に待っていたのは、飛び散った餡子にぶちまけられたお茶。 壁や畳に留まらず、炬燵布団にまでぐっちょりと大きな染みを描きあげている。 「ゆっくりいじった結果がこれだよ!!」 終われ 他に書いたの ゆっくりディグダグ ゆっくりディグダグⅡ このSSに感想を付ける
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今日は紅魔館のピクニックの日である。 最近、昼間に起きているようになったレミリアが思いつきで開催したものだが、主とその妹以外は基本的に昼型の紅魔館である。 メイドたちも前日から嬉しそうに準備をしていた。 「全員集まったようね。それじゃあ出発しましょう」 レミリアの合図で数十人のピクニックが始まった。 その中には、図書館から無理矢理連れてこられたパチュリーも含まれている。 「う~! さくや~、れみりゃもいく~♪」 「ふらんもいぐー♪」 ふと、後ろから咲夜を呼ぶ声がする。 振り向くと、屋敷に住み着いているゆっくりれみりゃとフラン。 二匹とも手に日傘をもってよたよたと走ってくる。 とたんにレミリアが顔をしかめる。 「アレは私の予備の日傘じゃない、しかも私の鞄まで背負ってるし。咲夜! 今すぐあの二匹を昼食に加えなさい」 高貴な自分の物が泥臭いゆっくりに手に握られている、それは決して我慢できるものでは無いようだ。 「まぁまぁ、お嬢様。ゆっくり達がしたことですし。二匹ともピクニックの為に頑張って用意したんですから」 いつの間にか、ゆっくりを自分のもとへ来させた咲夜がそう言ってなだめる。 「これはれみりゃのだよ!! れみりゃじゅんびちたの!!!」 「ふりゃんもじゅんびしたの!!! だからふりゃんにょなの!!」 そう言って二匹は、大きめのポーチを開けて中身を見せる。 そこの中には、無造作に詰め込まれたお菓子、蝋燭台、置物などなど。 どれもレミリアの部屋に置かれていたものばかりだった。 「この、中華まん……」 それ以上語らず、二匹の首を締め上げるレミリア。 「がー!! ひゅー、ひゅー」 必死に暴れて離そうとするが、力の差が歴然なのでそれもかなわない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口から肉汁の泡を吹き、みるみる顔が真っ青になっていく。 「お嬢様! おやめください」 あと少し、と言うところで時間を止めてレミリアの手から二匹を助ける。 当の二匹は咲夜にしがみ付いて泣いている。 「ざぐやーざくやー!! わるいひどがいじめるよー!!!」 「ざぐやー!! わるいひどをやっつげでー! ゆぐっりじねーー!!!」 「はいはい。もうだいじょうぶですよ」 そう言って、両手で抱きしめて慰める咲夜は、顔だけをレミリアの方に向ける。 「お嬢様! 変えの品は直ぐに準備いたしますので気を荒げないでください」 「だって咲夜、そいつが私の……」 「この二匹は、メイド達も可愛がっているんですよ。少し我侭ですけど、まだ小さいんですから、大目に見てやってください。」 ねぇ、と他のメイド達に視線を向ける。 皆一様にハイ、とか、そうです、と言ってはいるが本心でないのは丸分かりだ。 しかも、先日咲夜と一緒に買い物に出かけた二匹のゆっくりが居なくなった。 それらは最近になって庭に住み着いたのだが、それでも咲夜は懸命に街中を探し回った。 それからは、一番初めのゆっくりであり、屋敷内で生活していたこの二匹を今まで以上に大事にするようになった。 外は危ないので買い物にも連れて行かず、庭に出るときも休憩中のメイドを呼び出して監視させた。 それゆえ、最近はれみりゃ達が泣こうものなら目を真っ赤にして飛んでくる、凄い溺愛ぶりを発揮しているのだ。 当然、今日も自室に置いていこうと思ったのだが、どうやら事前にこの事をしってこっそりと準備していたようだ。 ちまちまとポーチにモノをつめる二匹を想像して、思わず顔がにやける咲夜。 それを見てため息をつくレミリア。 「……、まぁいいわ。私の邪魔にならないようにして頂戴」 この場はそれだけ言って引き下がる。 レミリアとしても、折角のピクニックに水を挿したくはないのだろう。 「う~♪、こんどいじめたら、しゃくやにいいづけてやる!!!」 「ゆっくりしね!!! ゆっくりしね!!!」 ゆっくりの性か。 既に泣き止み、ふてぶてしい笑顔でレミリアにそう言い放つ。 レミリア達が反応する前に、咲夜の手からはなれ列の中ではしゃいでいた。 「いいわ、先を急ぎましょう」 それを合図にまた歩を進める一向。 二匹のゆっくりは、自分達からすればかなり早く歩いている事が不満らしく、咲夜に文句を言って歩く速度を遅らせた。 今日のピクニックは色々と波乱に満ちている。 満足そうに笑いながら、ヒョコヒョコと傘にバランスを取られつつ進んでいく二匹を見て、咲夜以外の誰もがそう思った。 ペースは遅くなったが、それでもお昼前には目的地に着くことができた。 小悪魔が提案した小高い丘の上、近くには綺麗な川も流れている。 程なくて、全員が集まったのを確認しレミリアが挨拶をする。 「さて皆、今日はゆっくり羽を伸ばして、明日からまた頑張って頂戴」 レミリアが言い終わると、各々がシートを広げて昼食の時間が始まった。 一番見晴らしの良い場所に陣取ったシートには、レミリア・フランドール・パチュリー・小悪魔・紅・咲夜という、何時ものメンバーが陣取る。 「たまには全員でピクニックも良いものね」 「お姉様、それ私が食べようと思ってたのに……」 「早い者勝ちよ! パチェ、本ばかり読んでいないで景色を楽しんだら?」 「さっき見たわ。……小悪魔、それは私じゃなくて、きちんとあなたが食べなさい」 「ギクッ」 屋敷にいる時とあまり変わっていない様にも見えるが、本心では全員楽しんでいるのようだ。 「そうだ。咲夜、霊夢とそれから魔理沙も呼んできて頂戴。折角だから大人数で楽しみましょう」 「畏まりました」 既に昼食を食べ終えた咲夜は、そのまま博麗神社へと飛んでいった。 ここに戻ってくるまでには一時間は掛かるだろうか? 一方、れみりゃとフランの二匹は我が者顔で走り回っている。 「ゆくっりしね! ゆっくりしね!」 「いだい! さくやー! さくやー!」 フランに傘で殴られながら、必死で傘を盾にして防ぐれみりゃ。 既に何度か殴られたのか、顔は醜い泣き顔になっていた。 幾ら泣いても咲夜は来れないのだが、もはや口癖に様になっているれみりゃに言ってもしょうがない。 「う~、おなかへった~♪」 「ぐすっ。れ、れみりゃもへった~♪」 お腹が減ったら仲直り、一瞬で醜い笑顔に戻ったれみりゃと二人で、また日傘をさしてシートをうろつく。 「う~♪ がぁお~♪」 「れみりゃも! れみりゃも! がぁお~、た~べちゃうぞ~♪」 ずんずんとシートの上に土足で上がりながら縦断していく、メイド達が遊んでいたトランプの山を蹴飛ばし、殆ど残っていないランチボックスは、中身が気に入らないようでまた蹴飛ばす。 メイドたちは咲夜が怖くて黙って見ているだけ。 それがいっそう二匹をエスカレートさせる。 「う~♪ う! がぁお~! た~べちゃうぞ~」 さくやがいたシートを覚えていたれみりゃ、しかし既に咲夜はいなかった。 が、変わりにまだまだ沢山残っているランチボックスを見つけて大声で踊り出す。 「う~♪ うっう~♪」 「ふらんもするのぉ! う~う~♪」 なにが楽しいのか、日傘を持ったまま起用にたどたどしいヒゲダンスを踊る二匹。 一通り踊り終わると、今一度ランチボックスに向き直り一言。 「れみりゃごはんたべるぅー♪ どって~」 「ふりゃんもたべるー♪ はやくどって~」 にぱーっとステレオ笑顔で話す二匹。 自分達でとれる距離にある上に、そんなふてぶてしい顔で言われても取る人はこの席にはいないだろう。 勿論、直ぐ取ってくれる咲夜もこの付近にはいない。 「……。あぅ。はっ、はーい、れm……どうぞー」 周りの空気に耐えられなくなった小悪魔が、慎重に言葉を選んで二匹に差し出す。 その手のには大きなおにぎりが二つ。 和風なお弁当、と言うレミリアの提案で今日のお弁当は全て和風のもので締められた。 中でもおにぎりは、初めて一緒に外で食べる主に食べてもらいたくて、小悪魔が一生懸命作ったもの。 何故かは知らないが、おにぎりを作っただけなのに、彼女の手には沢山の絆創膏がしてあった。 「がぁおーーー!!!」 地面に落ちていくおにぎり、勢いよくれみりゃが叩き落としたからだ。 「あっ」 それを踏みつけるれみりゃ、見ていたフランも倣う。 「れみりゃは、さんどいっちたべたいの!! こんなのいらない!!」 「ふらんもさんどいっちたべちゃい♪ さんどいっち!!」 ズカズカとシートに上がりこんで、バスケットの中身をおにぎりごとを全て踏みつけ、勝利のヒゲダンスを踊る二匹。 「う~♪ さんどいっち♪ さくやのさんどいっちたべるぅ~♪」 「さくやのさんどいっち! ふらんもたべる~♪」 「お前達! いいかげんn「そうですか、サンドイッチが食べたいんですか?」」 レミリアがこの場で不夜城レッドを繰り出そうとした時に、小悪魔が微笑みながら二匹に聞き返す。 人間以上の生き物なら分かるが『目が笑ってない』という状態だ。 レミリアもいそいそと退散する、オーラは既に大悪魔そのものだったから。 「うっう~♪ さんどいっち! はやくたべるぅ~♪ はやくしないどさくやにいいつけちゃうぞ~♪」 「う~♪ はやくもってこないならゆっくりしね♪ さくやにおこられてゆっくりしね♪」 異常な気配にも気付かずに命令する二匹、この性格は似ている吸血鬼とゆっくりの性格が合わさってできたものだろうか。 「はいはい直ぐ用意しますよ♪」 今度は目も笑って、そう答える小悪魔。 バンザイして喜ぶ二匹。 「「う~♪ しゃんどいっじ~♪ うーーー!! ? うー! う゛わ゛ーーー!!!!」」 勢いよく風が吹いた瞬間、二匹とも自分の片腕が切れ取られていた。 一瞬何が起こったのか分からなかった二匹だが、直ぐに痛みが押寄せて状況を理解する。 「うーー? !! う゛わ゛ーー!! う゛わ゛ーーー!!!」 「ゆ゛っぐりしんじゃう゛! ゆ゛っぐりしんじゃう゛!」 「はいはい、直ぐ準備しますから泣かないでくださいね♪」 ブチッ、ブチッっと二匹の羽を引きちぎる、二匹は口から肉汁の涎を出しながら絶叫している。 「「うあーー!! ざぐあーーー!! ざぐあどごーーー!!!」」 「そんなに涎を垂らさなくても、後ちょっとですよ」 羽二枚で同じゆっくりの腕を包んでサンドイッチの出来上がり。 「はい♪ どうぞめしあがれ♪」 有無を言わさず、サンドイッチを元のゆっくりの口に無理矢理ねじ込んでいく。 「むぐむぐ!! ごれはれみりゃのおでで!! れみりゃのおででなの!! むぐ……」 「ちがうの! むぐむぐ……、これはさんどいっちじゃないの!!!」 「美味しいですか? そもそも最初のサンドイッチは、サンドイッチ伯爵が……」 二匹の口を押さえつけながら、サンドイッチの薀蓄を語り出す小悪魔。 「……なんですよ。ねっ、レミリア様、フランドール様」 「「はっはいっ!!!」」 パチュリーの後ろにしがみ付いていた二人。 急に話を振られたので思わず声が上ずった。 「よかったー、あってました。と言うわけです、美味しかったですか?」 押させていた手を離して尋ねる小悪魔。 なみだ目になりながら、なんとか完食した様だ。 「うーー! おいちくない! ざくやにいいつげでやるーーーー!!!」 「ゆっくりしね!!! ざくやにおごられでゆっくりじね!!!」 「えー、美味しくなかったんですか?」 額に指を置いて考えるポーズをする小悪魔、その間に二匹の欠損部も再生したようだ。 「う~♪ さくやにいいつけやる~♪」 「ゆっくりしね♪」 小悪魔の目線まで飛んで得意げにしゃべり出す、このまま咲夜を探して飛び回るつもりだろう。 「あっ、わかりました♪」 そう言って、今度は一気に羽を切り落とす。 「れみry……ぶんぎゃ!!!」 「ぼぎょあ!!!」 羽がなくなった二匹は、勢いよく地面に飛び込んで顔面とお腹を強打。 その後勿論泣き喚く。 「そういえば、れみりゃさまは甘いほうが宜しかったんですね。反対にフラン様はお肉の方が宜しかったんですね!」 すぐ準備します、と宣言し手早くサンドイッチを作っていく。 今度は両腕を使って大盛りにするつもりらしい。 程なくして出来上がったそれを口にねじ込む。 「どうですかぁ? おいしいですかぁ? おいしいですよねぇ? ご自分がすきなものですからねぇ? それも上質な肉と餡子ですもんねぇ?」 今度はがっちり押さえ込んでいるので口も開けない。 飲み込んだ頃を見計らって手を離してやる。 「う゛わ゛ーーー!!!! ざくや!!! ざぐやどごーーーー!!! ごわいひどがいるよーーー!!!」 「ゆっぐりじね!!! ざくやにいじめられでゆっくりじんでーーー!!!!」 傘を畳んで、ペチペチ叩いてくる二匹。 「ああこわいですねぇ♪ だったらー、言いつけられなければいいんですよね?」 「「う? うーーーー!!!」」 小高い丘、そこから勢いよく蹴り落とされる二匹。 蹴り落とした小悪魔は終始ニコニコ。 ニコニコしながら丘のの下まで飛んでゆく。 「はいはいー縛りますよ♪」 二人を手足を縛って近くの大きな洞窟へ、ポイッ。 後生大事に持っていた傘もポイ。 そして、ありの子を散らすように出てくる沢山のゆっくり霊夢と一匹のアリスほか二匹。 「おねーさん、ありすのおうちにれみりゃがはいってきたよ」 「それは、私からの贈り物ですよ。ちょっと早いけれど、人は夏と冬に二回贈り物をするんです、特に都会の人はいっぱい貰うんですよ」 「ゆっ!! ありすはとかいはだよ!!! しかたがないからこれももらってあげるよ!!!」 「アリィス、モットトカァイハァ」 「トカイハー」 「ふふ、ありがとうございます。きつく縛ってあるし、魔法もかかっているので絶対外れないですよ。知ってると思ういますけど、れみりゃもふらんも少し残しておくと再生しますから、これから越冬するあなた達にはもってこいでですよ」 「しってるよ! そんなこと、とかいではじょうしきだよ!!! おねえさんはいなかものだから、しらないんだね!!!」 「そうですか、よくしってるますね。では、私はこれで失礼します」 そういって近くにいた一匹のゆっくり霊夢の頭を撫でる。 「ゆゆ! おねえしゃんもゆっくりちていってね!!」 そう言って、仲間と一緒に戻ろうとした一匹を川に遠投。 ご馳走に夢中な他の家族は全く気付かなかった。 「むしゃむしゃ♪ おいしー」 「うっめぇ、これめっちゃうめー」 「だめだよ、そんなことばつかっちゃ、でなーのときにわらわれるよ!」 「はーい」 「う゛あ゛ーーーー!!! ざぐやー!!!!」 「ゆっくりしんじゃうよーーーーーーー!!!」 美味しそうに餌にかぶり付く声を聞きながらその場を後にする。 丘に戻り、シートまで飛んでいく。 どうやら、咲夜はまだ戻ってきていないようだ。 ほっと一安心知ってシートに目をやる。 「えっ」 本を読みながら、潰れたおにぎりを食べている主。 ふと、こちらに気付いて一瞬目が合うが、直ぐにまた本に目を落とす。 「パチュリー様! 汚いですよ、お屋敷にもどったら急いで何か作りますから」 「大丈夫よ、シートの上に落ちたのだし汚れた部分はちゃんととったから」 「でも、でも」 「それにね」 目に涙をいっぱい浮かべている小悪魔を諭すように話す。 「こんなにしょっぱいおにぎりじゃ、蟻も食べてくれないわ」 「ぱちゅりーざまー!」 「抱きつかないで、涙で本にしみが出来る」 「あう」 魔法で突き飛ばされた小悪魔、その目線の先には咲夜がいた。 「さっさくやさん、あの、その……」 「わかってるわ、れみりゃ様とフラン様が悪戯したんでしょ。ここは私が片付けるから大丈夫よ」 手馴れた手つきで片付け始める、霊夢と魔理沙は、と姉妹が聞いてきたが二人とも留守でした、とだけ言って作業を再開する。 モノの数分で掃除が終わり、いとしのゆっくりを探す咲夜。 「れみりゃさま、フラン様! 和食は合わないだろうと思いまして、さくやがサンドイッチとミルフィーユを作ってきましたよ、ミルクセーキもよく冷えていますよ」 しかし、反応はない。 何時もだったら、醜い顔をさらして駆け寄ってくるのだが。 「れみりゃさまー……、フランさまー……。へんねぇ、あなた達二人を見なかった?」 近くにいたメイドに聞く。 ここで踊っていました。 違うメイドに聞く。 ここで遊んでいました。 何人のメイドに聞いても、二匹の足取りを辿るような答えは摘めなかった。 まるで事前に口裏を合わせたような答えに、あっちへフラフラこっちへフラフラと走り回る咲夜。 「その二匹ならあっちに駆け出していったわ」 「パッドしか見てないけどね」 そう言ったのはレミリアとフラン。 「「まさか私達にもお守りをしておいてくださいなんて、言わないわよね?」」 丁寧に肯定し、一目散にその方角へ向かう。 あの綺麗な川ものある森の反対側。 ゆっくり達が沢山住んでいる森へと。 その後さすがに主を放ってはおけないので、皆で帰る前に戻ってきた咲夜だが、その日から雪が振る一ヶ月の間、暇を見つけたはあの森に探しに行っていたようだ。 この事を契機に、姉妹が小悪魔に妙に礼儀正しくなったり、小悪魔の部屋が豪華になったり。 小悪魔に投げられた直後、子供の数を正確に把握していたアリスは食後に一匹足りない事に気付いたが、都会派の親は反抗期の子供を持ってこそだと訳の分からない理屈で軽く流したり。 味を占めたアリス一家が雪が降り始めた頃、里に下りて半数が高値で売られたり。 暇な越冬中に、偶然傘の開き方が分かり得意げに傘で遊んだり、自分達のポーチの中身を得意げに説明して自分の宝物にするアリスを見て、自分達のモノだと傲慢に主張する二匹がまた食べられたりするが、それはまた別な話。
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セリフ一覧 ゆっくりのセリフは上記の記事に既に記載されています。
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ゆっくり蒸し 俺はゆっくりの家族を探していた。 目的は、虐待である。 ゆっくりを入れる巨大な籠、ゆっくりを騙すテクニック 準備はばっちりである。 俺がゆっくりを探しながら歩いていると、 正面から、ゆっくりの家族がこっちに向かってくるではないか!! 「お、いた!!」 男は、見つけたゆっくり一家にばれないように ボソっと、小声で呟いた。 ゆっくり一家の構成は、 親れいむ・親まりさ、 子供れいむ5匹、子供まりさ5匹、 赤ちゃんれいむ・まりさ、2匹、 合計、14匹である。 俺はゆっくり一家を捕まえるべく、 とびっきりの作り笑顔で 先頭を歩いていた親ゆっくりれいむに話しかけた。 「こんにちは!!」 「ゆゆっ!?おじさんはゆっくりできる人?!」 「うん。ゆっくりさせてね」 「「「「「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」」」」」」」」」」 俺が、ゆっくりさせてくれ、と言うと ゆっくり一家全員の、ゆっくりしていってね、の大合唱が。 俺は、計画どおりに事が進んでいて作り笑顔ではなく 本当の笑顔が顔にできていた。 「ゆゆ!!おじさん、どうしたの!!??」 れいむは、俺の笑顔の変化が分かったのか 質問を問いかけてきた。 答える必要はない。 俺はその発言を無視してゆっくり一家に提案をした。 「おじさん、もっとゆっくりできる場所を知ってるよ。 来ない?」 「いく!ゆっくりつれてってね!!」 親れいむが、俺の嘘にだまされた。 ふはははははは、これで貴様は一生ゆっくりできない。 「れーむもいきゅ!」「いきたいんだぜ!!」 子ゆっくり達も行きたいコール。 「ゆっくりつれてくんだぜ!!」 これまで黙ってた親まりさも。 「わかった。じゃあ、ちょっと待ってね」 俺は、素早く背負っていた籠にゆっくり一家を入れる。 「ゆ”ゆ”!ぜま”い”よ”、お”じさん”」 「ゆ”っぐり”でぎな”い”ん”だぜ・・・!!」 ゆっくり一家は、自分たちがいる場所の狭さについて 俺に文句を言ってきた。 もう籠に入れてしまえばこっちの物だ!! 「うるせえ!!」 俺はそう叫ぶと、ガツガツとわざと籠を揺らすように走った。 「ゆ”!」 「ぶ!」 ゆっくり達のつぶれる声が聞こえる。 潰れる、と言っても死ぬほどでもない。 家まで、籠を揺らしながら走った。 家に着くと、すぐさま籠を開けてゆっくり達を開放する。 親ゆっくり達のブーイングの嵐が始まる。 「おじさんどういうこと!!赤ちゃん達になにかあったらどうしてくれるの!!」 「オレシラネ」 「ゆっくりあやまるんだぜ!あやまったらゆっくりここからでていくんだぜ!!」 「これからここはれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!!」 「「ゆっくりあやまってね!!」」 「オレシラネ」 俺は、さっさと作戦を実行するべく、巨大な薬缶を取り出した。 「おじさん、なにそれ?」 「ゆっくりせつめいするんだぜ!!」 子れいむや、子まりさ達が、興味津津に話しかけてくる。 「これはね、ゆっくりできる部屋なんだ。 ちょっと小さいけど、とってもゆっくりできるんだ。 かぞくみんなで入ってね。」 「ゆゆ!だまされちゃだめだよ!!」 親れいむは、俺の事を警戒しているらしい。 そりゃそうだ。揺らされて、所々怪我をしたし 赤ちゃんも、もしかしたら死んでいたかもしれない。 「ごめんね、れいむ。 これをあげるから、許してくれ。」 そう言って、う●まい棒(袋に入ってる)を渡した。 「ゆゆ!おじさんありがとう!!ゆっくりゆるしてあげるね!!」 親れいむは、幸せそうにう●まい棒を見つめて言った。 親まりさも、今さっきまでの警戒心は無くしたらしく 幸せそうにう●まい棒を見つめていた。 ゆっくり達には、手足が無い為、 う●まい棒の袋を誰かに開けてもらうまでは食べられない。 その為か、ゆっくり両親達は涎を垂らしながら、う●まい棒を見つめていた。 子ゆっくり、赤ちゃんゆっくりも涎を垂らして見つめていた。 俺は、この隙に、と思い、 薬缶の中へゆっくり一家を詰め込んだ。 「ゆゆ”!ぜま”い”よ”!!」 親れいむの苦しみの声が聞こえる。 子れいむ達の声もだ。 俺は、携帯用のコンロを出した。 火をつけて、ゆっくり達の入っている薬缶を置いた。 「・・・任務完了♪」 まだ火に当てたばかりだから熱は伝わってこないだろう。 数分後 「おじさん!!あづいよ!! ゆっくりだしてね!!」 蓋をする部分のちょうど真下にいた子れいむが言った。 「ヤダ」 「ゆ”う”う”う”う”う”!!あ”づい”よ”ぉぉぉぉぉぉ!!」 薬缶の一番下・・・、コンロの火がジャストヒットしている 子れいむが叫んでいた。 数十分後 「ゆ”う”!!あ”づ”い”よ”お”お”お”お”お”お”!!」 親れいむの声が聞こえる。 泣きながら叫んでいるのだろうか、とても痛々しい声で叫んでいた。 今さっきまで聞こえていた、薬缶の最下層の子れいむの声が聞こえなくなった。 もう虫の息なのだろう。 「はやくだすんだぜ!!」 親まりさが叫んだ。 俺は不思議に思った。 数十分も火に当てられてなぜそこまで平気に叫ぶことができる? 俺は、薬缶の中を覗いてみた。 なんと、親まりさは子まりさを自分の周りにおいて 暑さを防いでいたのだ。 親まりさは、子供などを平気に裏切ると聞いたが 本当だったとは・・・。 「チッ」 俺は舌打ちをした。 苦しんでいないとは、俺の努力はなんなんだ。 怒りを込めて、親まりさへ目つぶしをした。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」 ざまみろ そして、数分後 今さっきまでの叫ぶ声はなくなり、 呻き声などが聞こえ始めた。 「お”み”ずち”ょ”う”だ”い”い”い”い”」 来た!来た来た来た! ついに最後の〆の時が来た。 俺は興奮して、ゆっくり一家に喋り掛けた。 「水がほしいのか!! いまあげるぞ!!」 「ゆゆ・・・ありがとうおじさん・・・」 「ゆ”う”・・・」 もう死にかけである。 俺は、バケツにいっぱい水を汲んで来た。 「今やるぞ!!」 手で水をすくい、三回、水を入れてやった。 「ゆぅー」 「このくそじじい!!れいむをゆっくりしないでだしてね!!」 「じじいはさっさとしね!!!」 俺に文句を言い始めた。 そろそろ、とどめをさすか。 そう思い、水をすくって薬缶の中に入れてやった。 大量の水だ。 そして、蓋をした。 「ゆ”ゆ”!!く”ら”い”よ”!! あ”づい”よ”!!!」 「あのくそじじい!ま”り”さ”の”め”を”つ”ぶし”た”ん”だぜ!しね!!」 今さっき目を潰された親まりさは、恨みを込めて一家全員へと喋っていた。 暑さ防ぎにされている子ゆっくり達は、聴いていない。 俺は、コンロの火を強火にした。 「ゆ"!む”じあ”づい”よ”!!」 「れ”い”む”の”がら"だが!!!」 「あ”づい”ん”だぜ!!」 そう、今さっき俺が入れた水でゆっくり達は蒸されているのだ。 皮はブヨブヨになり、中の気温も上昇し、 ゆっくり達にとっては地獄だ。 さすがに親まりさも、熱い熱いと言い始めた。 数分後 俺は、ゆっくり達の声が聞こえなくなったので薬缶を開けてみることにした。 すごかった。 中のゆっくり達は、どろどろに溶けて原形をとどめてない。 髪飾りのリボンや、帽子が、どろどろに溶けた餡子に入っていた。 俺は、お餅を入れてお汁粉にすることにした。 「いただき・・・もす・・・!!」 灼熱という地獄を味わったゆっくり達の味は格別だった。 甘い。とにかく甘い。 俺はぺろり、と食べきってしまった。 「次は・・・、アリスのクリームでクリームパンでも作るかな」 俺はニヤニヤと笑みを浮かべた。
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ここは、広大なゆっくり平原。 ゆっくり名所である川に沿って上流へ向かうと、おなじく名所である林に入る。 さらに上流へと足を進めると、そこはもう山だ。 天を突くほどに伸びた木々は、その身に枝葉を思う存分茂らせ、さまざまな木の実をつけている。 数多の木々が作り出す静寂とした空気。 山にある森は知るゆっくりぞ知る、ゆっくり名所であった。 だが、山はゆっくり名所でありつつもゆっくり難所でもある。 なぜか? それは動物の数が下流の平原よりもはるかに多いからだ。 よほどの経験を積んだゆっくりでもなければ、山の森で暮らそうなどという者はいない。 そんな森の中に、 「ゆっくりしていってね!」 という声が漂ってきた。 2匹のゆっくり魔理沙だ。この山の中を飛び跳ね、餌を探している。 この2匹はつがいで、2回目の出産を経て、ようやく産後の肥立ちから回復したのだ。 交尾してから久しぶりの夫婦水入らずの狩りだった。 2匹がやってきたのは、川原だ。 水源にはまだ遠いが、この上流の水はとても綺麗で、きらきらと輝いて見える。 この水を毎日飲んでいれば、それはすくすくと育つだろうと思わせるほどだ。 この川には、ゆっくりを捕食する生き物も集まるが、餌も豊富というリスクに見合うリターンが確実にある場所だった。 しかも、今2匹の目の前には、魚がぴちぴちと跳ねていた。 川の中ではない。地べたで、だ。 2匹のゆっくり魔理沙は天の恵みとばかりにそれに近づいていった。 「おさかなさん!ゆっくりしていってね!」 「ごちそうだね!」 そう言って、わずかに体の大きいほう、年長のゆっくり魔理沙がその魚を口に含んで飲み込んでしまった。 無論、食べようとしているわけではない。巣への運搬のために一端体内に保存しているのだ。 鵜飼いとは違うが、あれを想像してもらえるとわかりやすいだろう。 2匹でびちびちと活きの良い魚を一尾ずつ飲み込んで、 「ゆ!まりさたちのえーよーになってね!」 「あわてないで、ゆっくりしていってね!」 などとご満悦の表情だ。 「あとは、きのみとかとっていこう!」 「そうだね、おさかなさんがいるから、それでじゅうぶんだね!」 来たときよりも重めの体を全力で飛び跳ねさせる2匹。 2回の子作りで、群れも10匹と大きなものになった。 上の四匹の子供達はそろそろ本格的に狩りに連れて行っても良い頃合だろう。 家族で狩りという、夢膨らむ素敵な想像に、2匹は浮かれつつも巣への帰路へとついた。 日が傾き、空が橙色に染まりつつあるころ、森もその様相を刻一刻と変化させていった。 木々の陰はゆっくりと伸びていき、まるで生き物のように森を昏い色で飲み込んでいく。 夕闇が迫りつつあった。 10匹のゆっくり魔理沙たちは、狩りの成果を思う様堪能していた。 年老いた大木の洞のなかをねぐらにしているので、広さは十分にある。 地面に並べられたご馳走は、無数の木の実に、色鮮やかなツツジの花。 そしてメインはなんといってもお魚さんだ。 もう1尾は明日の食料として、奥のほうで笹の葉に包まれている。 「はふはふ、うめぇ!めっちゃうめぇ!おさかなさんおいちい!」 「ゆっくりあじわってね!」 「おちついてゆっくりしてね!」 子供達の旺盛な食欲を温かく見守るのは、2匹の親ゆっくり魔理沙だ。 その表情は母といって差し支えないものだ。 子供達もそんな母たちの見ている中、喧嘩ともいえないようなじゃれ合いをしながら、ご馳走を食べている。 赤らんだ顔に溌剌とした眼差し、張りのよい高い声、あふれる覇気を支える柔軟性に富んだ動き。 その全てが健康状態が良好であることを示している。 さらに、はちきれんばかりに発揮されている元気から、この子らがのびのびと成長していることも存分にうかがえる。 ゆっくりにとって理想の家族像がこれだと言われたら、信じてしまいそうな情景だった。 この家族であれば、どんな苦難が降りかかろうとも、身を挺して子供達を守るに違いない。 そう、親が子を、姉が妹を、何を措いても守るのだろう。 年少のゆっくりは、そんな年長のゆっくりの行動を指標とし、さらに年少のゆっくりに対して同じように接するだろう。 ゆっくりたちにも受け継がれる意志があるのだ。 これは秋に起こったこと。 日々を満腔の幸福で彩っていたゆっくり親子を襲った黒い絶望のお話。 橙色の空が、恐怖に蒼褪めたように暗くなり、とうとう墨を流し込んだようになったころ、ゆっくり親子は巣でゆっくりしていた。 最年少の子供たちはすでに夢の中へと潜りこみ、安らかな寝息を立てている。 4匹がそれぞれお互いの顔を見合わせるような、円陣を組んだような体勢。寝付くまで年少組だけでおしゃべりに興じていたのだ。 そのすぐ隣には、年少組より二回りほど大きな4匹が、これまた円陣を組んでおしゃべりをしている。 年長組だ。 2匹の親ゆっくり魔理沙が狩りに出かけている間、年少組の世話をするのが日々の仕事だった。 むろん、簡単な狩りの真似事ならお手の物で、妹たちが蝶々や飛蝗をねだると、それらを取ってやっていた。 そんな年長組だから、妹たちが寝付いたときから、ぽそぽそと声を潜めてお話をしていた。 けれど、迫る睡魔に抗する術も持たないのか、すでに目がとろんとしていてまぶたも落ちかかっている。 「あしたもゆっくりしようね」 「みんなでゆっくりするよ」 と今日へのお別れを口にしていた。 親ゆっくり魔理沙たちは、8匹の子供たちが、全て寝静まるのを確認してから眠りにつくことにしている。 だから、真夜中の来訪者に気づいたのも、当然のことながら2匹の親ゆっくり魔理沙だった。 巣が揺れる。 地震だろうか?いや、違う。 何かがぶつかっているような音がしている。 それだけではない、みしみしと巨木が軋む音がかすかに聞こえてきている。 「ゆっ?なに?」 「ゆっくりかんがえてもわからないよ!みてくるね!」 「ゆっくりきをつけて!」 勇敢にも大きいほうのゆっくり魔理沙は、入り口から外を確認にしにいった。 片親は8匹のそばに跳ねていく。 まだ眠りの門は破られていないのか、安らかな寝息は乱れていない。 ほっと安堵の表情を浮かべる親ゆっくり魔理沙。 子供らを背に、入り口へと向き直ると、愛するつがいの怒声が聞こえてきた。 「うるさいよ!こどもたちがおきちゃうでしょ!ゆっくりいなくなってね!!」 続く静寂。 迷惑な来訪者は去ったのだろうか? いや、揺れはおさまってはいない。それどころか大きくなっている気配すらある。 何かがあったに違いあるまい。 即座に子供達を起こし始めるゆっくり魔理沙。 寝ぼけ眼をしぱしぱさせて、 「ゆっくりねむたいよ」 と口々に言う子供達。 「ゆっくりできないよ!おきてね!」 「ゆっ!?」 「ゆ゛っ!」 親ゆっくり魔理沙の声色にただならぬものが含まれているのに気づいたのか、姉ゆっくり魔理沙たちはしゃきりと身を持ち直す。 「ゆっくりおきてね!えらいことになるよ!」 「ほらほら、ゆっくりして!」 1匹1匹がそれぞれ年少組をきちんと起こし始める。 ゆっくりとは思えないほどのしっかりとした行動。 親ゆっくりへと連綿と受け継がれた教育がしっかりと根付いていることがうかがえる。 それからいくらもしないうちに、年少組を含めた8匹の子ゆっくり魔理沙たちは完全に覚醒していた。 9匹でそろりそろりと入り口の穴へと向かう。 当然先頭は親ゆっくり魔理沙だ。 その後ろに姉と妹でペアになった、4組の姉妹ゆっくり魔理沙。 親ゆっくり魔理沙は、入り口の穴から体を出しているつがいの後ろ姿を見つけた。 「まりさ!どうしたの?」 問いかけるも返答がない。 訝しんだゆっくり魔理沙が、それに触れるとぐらりと倒れた。 生きた匂いを感じさせないその動きは、9匹に冷たいものを与えた。 倒れたゆっくり魔理沙の体表面からは暗い色の塊が見える。餡子だ。それには顔がなかった。 「ゆ゛っ!?なかみがみえでるよ゛っ!!おがおがないぃいいぃいっ!!ぶりゅっ!!!」 つがいのゆっくり魔理沙が、その体の前半分を削り取られたことを理解すると、絶叫する親ゆっくり魔理沙。 声を上げた瞬間、その体躯に太いものが突き刺さった。 毛むくじゃらのそれは、たやすく親ゆっくり魔理沙を絶命せしめ、そのまま壁に叩きつけた。 「あ゛、あ゛~~~っ!」 「おが~~~ざ~~んっ!!」 それは、甘い匂いのするほう、姉妹ゆっくり魔理沙たちの方へと動き出した。 がりがりという音。荒い息遣い。 これはきっとバケモノだ。がたがたと震え始める遺された8匹。 恐怖にまみれているが、入り口から入って来れないのが救いと思っているのか、逃げようとしていない。 いや、そもそも裏口などと言うものがないのだ。 この巣は天然自然の作り出した洞穴。 ゆっくり魔理沙たちに、地面を掘り進むほどの膂力はない。 そもそもなだらかな地面には噛み付けるような場所も見当たらない。 「ゆっくりでていってね!」 「ゆっくりできないよっ!!」 「どこかへいってね!」 口々に叫ぶ姉妹。それが功を奏したのか、もぞもぞと探るように動いていた毛むくじゃらのバケモノはゆっくりと外へ戻っていった。 そのままじっとしていると、そのバケモノは本当にどこかへ去っていったのか、巣の揺れも鎮まっていた。 自分達の、8つの荒い呼吸音が重く響く。 どれほど経ったのだろう?じっと動かずに入り口を凝視していた8匹がやっと動き出した。 ふたつの遺骸を巣の奥へと運ぶ。 生前、2匹は自分達が何かで死んだら、その体を食べて栄養にしてね!と子供達に言い聞かせていた。 子供達は嫌がりながらもそれを受け入れた。それが埋葬という概念のないゆっくりたちの鎮魂なのだった。 しかし、そんなことはずっと遠い、想像することも出来ないくらいゆっくりと訪れる遠い日のことだと思っていたのだ。 姉ゆっくり魔理沙たちは、涙をかたく堪えながら、ただの大福と化した物言わぬ塊を運ぶ。 それに対して妹ゆっくり魔理沙たちは誰憚ることなく泣いていた。泣けるうちに泣いておいたほうがいい。涙は悲しみを流してくれる。 姉たちは妹たちに、自分達の分まで泣いておくれと、願っていた。 次の日、恐怖の晩が去り、辛い現実を受け入れたのか、静まりかえった巣の中では8匹のゆっくり魔理沙たちが、親の亡骸をむさぼっていた。 味に対する言葉を何も吐かず、食べられる幸福を見知らぬ誰かたちに伝えようともしていない。 ただ、親の死肉を口にしている。 その食事は、おそらく彼らにとって荼毘に付すのと同じ意味を持つ行為なのだろう。 粛々と進む、ゆっくりにあるまじき食事行為。 8匹の姉妹に去来しているのは昨日までの両親の笑顔か。 やがて、亡骸を全て8匹が身に納めると、とたんに騒がしくなる。野生生物は悲しんでばかりいられない。これからを両親の分まで生き延びなければならないのだ。 幸い、親の遺産とも言うべきお魚さんが巣の奥にある。数日はそれだけで乗り切れるだろうが、程なく飢えることは想像に難くない。 早急に狩りを習得しなければいけなかった。 姉妹は皆で協力して狩りをすることに決めた。2匹の姉ゆっくり魔理沙と2匹の妹ゆっくり魔理沙を一組として、二手に分かれていった。 数時間後、巣に集合した8匹の収穫は、木の実が多かったがまずまずというところで、彼らに自信を与えた。 「ゆ!これならまりさたちだけでもくらしていけるね!」 「ゆっゆっ!よかったね!おかーさんたちのきょういくのたまものだね!」 一斉に喜んでいる8匹を襲う揺れ。 「ゆ……っ!!!」 とたんに顔を蒼白に染める。また来たのか?あれが!? みんなで入り口に向かうと、案の定毛むくじゃらのバケモノが暴れていた。 がりがりと地面を掻き毟っていて、それはまるで穴を掘っているようだ。いや、ようだ、ではない、それはまさに穴を掘っているのだ。 それに思い至ったのか身をすくめて震える姉妹たち。両親を昨晩に亡くしたばかりで、もう彼らの命は風前の灯。 勇敢にも震えを抑えてそれに飛び掛る1匹の妹ゆっくり魔理沙。 「もうやめてね!ゆっくりでてってね!ゆっくりできないの!ゆっくりさせてね!」 飛び跳ねて、涙ながらに訴え、それに体当たりをしている。小さいながらも家族を守ろうと必死なその様子は、他の家族たちに勇気を与えた。 一斉に飛び掛る姉妹ゆっくり魔理沙。だが悲しいかな、最初の犠牲者はその勇気を与えた妹ゆっくり魔理沙だった。 「ゆぅ~~、はなしてね!ゆっくりさせてねっ!」 それに捕えられ、引きずり出される。そして外に連れて行かれた。 「まって!いまたすけるよ!!」 「いもーとをはなせっ!」 追いかける姉妹。 「ゆ゛ぅう゛ぅう゛う゛ぅう゛ぅう゛ぅぅっ!!!」 断末魔とそれに続く咀嚼する音。 「う゛わ゛ぁあ゛ぁぁぁっ!!」 妹の仇!とばかりに外に飛び出す姉妹。この毛むくじゃらのバケモノをどうにかしないと、これからもゆっくりできなくなる!そんなのは嫌だ!! 体の奥にある勇気を奮い立たせて次々と外に向かっていく。 「ゆ゛っ!?」 まごうことなき家族の仇を前にしたゆっくり魔理沙たちは、そんな声をあげて硬直していた。 その毛むくじゃらのバケモノは、それの一部に過ぎなかったのだ。 その巨大な獣は現れた甘い匂いのするものをじっくりと見下ろしていた。その口元には餡子とわずかの皮が付着している。 妹が食べられたことを悟っても、ほかのゆっくり魔理沙たちは身動き一つ出来ない。 絶対者の視線に射抜かれて、竦んでいるのだ。 それは熊だった。それも「山の神」と謳われるほどの羆だった。 おおきい。おそらくは400㎏は下らないその巨躯は、ゆっくり魔理沙たちに死を悟らせるのに十分だった。 右腕を振り上げ、振り下ろす。 たったそれだけの行動で、7匹のゆっくり魔理沙たちは次々と吹っ飛び、屠られていった。 何故羆がゆっくりたちを?その理由は川で親ゆっくり魔理沙たちが見つけた魚が、この羆が獲った餌だったからだ。 熊は総じて執着心が強い。 一度自分の物だと定めたものを奪われたら、それを奪い返すために執拗に追いかけてくるのだ。 この家族の運命は、両親が魚を見つけたときに決まっていたのだった。 ここは広大なゆっくり平原。 ありとあらゆるゆっくりが、思う存分ゆっくりできる場所。 しかし山に暮らすゆっくりたちは、1年ともたない。 秋になると、冬眠を控えた熊の餌になるからだ。 万が一、運良く逃れたとしても、冬眠に失敗した「穴持たず」に、冬篭り真っ最中の巣を襲われ、根こそぎ食い尽くされてしまう。 山に入って、春を迎えられるゆっくりは存在しない。また、山から帰ってきたゆっくりもいない。 だから、平原にいるゆっくりたちの何割かは、毎年まだ見ぬ新天地を求めて山へ向かうのだ。 自分達の体から漂う甘く、美味しそうな匂いが、もっとも危険な獣を引き寄せることも知らずに。 終わり。 陸上最強生物の羆さんにお出まし願いました。 参考文献:三毛別羆事件の記事 熊こえ~ 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
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「遅刻、遅刻~~!」 転校初日から遅刻とは、しょっぱなからやらかしてしまったようだ。 頭の中で遅刻と叫んでいるだけで、実際には無言の全力疾走。 交差点が見える、あの角を曲がれば後は直線のみ。 この角を曲がれば残り300mで学校に着く筈――。 ドンッ!!!! 曲がった瞬間、そんな擬音が出てくるような鈍い衝撃が足に走った。 「いたた……。」 「ゆぐぐ……いだいよおおおお゛お゛お゛お゛!!」 「すみません、だいじょうぶでした……か?」 「いだいよぉ………いたいよお゛お゛!!」 「ん?……なんだこれ?」 「ゆゆゆ゛ぅ……」 どうやら、この変な生物とぶつかってしまったらしい。普通はパンをくわえた女の子とぶつかるものだが……。 いや、まあ女の子を吹っ飛ばす趣味もないし、かえって良かったのかも知れない。 コイツは泣いてはいるが、身体の方は、わりと無傷っぽい感じだった。というかなんだこの生物? 「ゆぅー……おちついてきたよ……」 「ごめんね、ぶつかっちゃって。だいじょうぶかな?」 泣き止むのを見計らってもう一度訪ねてみた。 「ゆゆ!! だいじょうぶだよ!! ゆっくりしていってね!!!」 「……初対面でこんな事を言うのもなんだけど……、君は何なんだい?」 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!!」 何か、会話したのが後悔されるような回答が返って来た。ゆっくりするって何だろう。 「ぶつかっちゃったお詫びのしるしって事で……。ほら、このパンをやるから許してくれよ?」 そういってパンを放る。何の変哲もない角食パンだ。くわえながら走ろうと思ってカバンにいれていたが、現実にそんな事をすると 呼吸困難に陥ることが良く解ったので、カバンに戻していたのだ。あ、そういえば歯型がついたままだった。 「むーしゃ、むーしゃ! しあわせーー♪ 」 なんか喜んでいるから別にいいか。早く学校に行かないと始業式が始まってしまう。ダッシュでその場を去る事にする。 「むーしゃむーしゃ……」 後をちらっと振り返るとまだ食っているようだ。ほんとに何なのだろう、アレは。 ギリギリ予鈴がなる前に職員室に滑り込み、事なきを得る事が出来た。 名字を名乗ると特に質問もなく教室に案内される事になった、淡白な担任らしい。 自分のクラスである1-1の扉の前で待たされる。 「あー……、今日から転校生が来る事になった。…………入ってきなさい。」 一切雑音が沸かなかった。どんな子ですか?とかの質問も一切ない。7回程の転校経験を経ているがこんな事は初めてだった。 黒板に名前を書いて、趣味なども話しておくのがセオリーであったが、今回は空気を読んで自己紹介も名前を名乗るだけで 終えることにした。眼前には、特に興味のなさそうな顔が並んでいる。 「あー……後ろの、右から2番目の席が空いてる。そこに座りなさい。」 教師に促されて、席へむかう。私語が一切無い。 大変な学校に転入してきてしまったかな? とあんたんたる思いを抱きながら席に座った。 「ゆっくりしていってね!!」 「うわ!! 今朝の不思議生物!!?」 思わず叫んでしまった。 「れいむはれいむだよ!! ふしぎせいぶつってなまえじゃないよ!!」 「あー……、そこ静かにしなさい。君は転校生だから今回は許すが……私の授業、ホームルームでは私語は厳禁だ。」 そう言いながら担任がツカツカとこっちに向かって歩いてきた。無表情で近づいてくる、怖い。 「けど、お前は転校生じゃないからな。始業式でも容赦は無しだ……!」 そう言って、自分の横の席に座っている不思議生物に向かって鞭を振り下ろした。 バチィ!! 物凄い音がした。 「い゛だい゛い゛い゛!! なにずるの!!? れいむはてんこうせいにはなしかけただけだよ!!」 不思議生物が悲鳴を発する。鞭の音も煩かったが、この声も相当煩い。 わんわん泣く生物を見下しつつ、担任が大きく腕を振り上げる。そして、野球の投手のような構えから一気に腕を振り落とした。 バチィイイイン!!! 「ゆびぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!!! い゛だい゛い゛い゛い゛い゛!!!」 さっきよりも声音が上がった。あれは痛い。見てるだけで痛いがあまりにいい音がするので「痛いだろうな」という感想より 「なんて良い音色なんだ」という鞭に対する憧れが生まれてしまいそうだった。 担任がそれから、二度、三度鞭を振るうと不思議生物が大人しくなった。いや、気絶したという表現が正しいのか。 「ゆ゛っ、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛……」 と何やらうめき声を発しながら震えているので、多分死んでないとは思う。 「あー……、とにかくだ。私の前では私語は厳禁だ。転校生も覚えて置くように。」 こくこく、と首を振った。淡白そうな担任、という印象はすでに『冷徹な担任』にシフトしていた。 その後、全校集会が行われたが、勿論その間もわがクラスは全員無言だったのは言うまでも無い。 ちなみに不思議生物は欠席だ。机の上で放置されている。「保健室に連れて行きます」とかも私語なんだろう、多分。 そして、ホームルーム後。ようやく無言の空間が解かれる事になった。 担任が教室から出て行くと、隣の男性生徒が話しかけてきた。 「災難だな、転校生。いきなりあの担任に当たっちまうなんて。」 「いや、それを言ったらこのクラス全員が災難だよ。」 相槌を打ったのは隣後ろの女子生徒。それから二人は「こんなクラスだけどよろしく。」と挨拶をしてくれた。 良かった、クラスメイトは普通のようだ。話しかけてきた林田君と渡辺さんとの適当な話題を十数分こなす。 担任以外は、普通の学校そうだ。これなら上手くやっていける。 「そーいや、またれいむが打たれてたなぁ。」 「うん。1学期終盤はだいぶ打たれなくなってたけど、夏休みのせいで忘れちゃったのね。」 「コイツ、月曜日は必ず打たれてたからな。土日を挟んだだけで忘れるのに、1ヶ月も休んだらもう完全忘却だろ。」 すっかり隣の不思議生物の事を忘れていた。そういや今も震えてるな。 「……僕、コレの事なんにも知らないんだけど。教えてくれない?」 「ああ。コイツちょっと変わっててな。あんまり頭が良くないんだよ。」 そういう問題じゃない気がする。どう考えても猿人類には見えない。 「というかコレは何、うちの生徒なの? 本当に高校生で合ってるの? なんで日本語を喋れるの??」 「落ち着きなさいよ……。クラスに一人は変わった人がいるわ。うちでは彼女がそうなのよ。」 「ああ……、メスなのか、これ。いや、そんなことより質問の答えが何か投げやりっぽいような。」 どうも渡辺さんは適当な人のようだ。 「まぁ、俺も最初は変な奴だと思ったけどな、今は慣れたよ。 だいたい、コイツみたいな変人がいるクラスはうちのクラスだけじゃないぜ?」 「あ、ほら。噂をすれば何とやら、彼女もそうよ。」 教室の後ろから、別種の不思議生物が入ってきた。机の上で震えてるのとは若干違う。 黒いとんがり帽子をつけた金髪の生物だ。 「れいむぅ……!!!、ぜんこうしゅうかいでいないとおもったら、やっぱりこうなってたんだね……」 机の上のれいむを見るなり、涙を流しながら金髪帽子が跳ねてきた。動きがなんか怖い。 「いま、つくえからおろしてあげるよ……。 ゆーしょ……ゆーしょ……。」 そう言って黒帽子は、頭に被っている帽子から棒を取り出し、机の上のれいむを床に「おろした」。 ビタァン! れいむが顔面から床に打ち付けられた。下ろしたというより落としたというのが正しい。 「今ビタァン、って音したぞ。そんな乱暴な扱いでいいのか?」 「このくらいのしょうげきなら、まりさたちはへいきだよ! れいむ、いまおれんじじゅーすをかけてあげるね!!」 「あ、私がかけてあげるよ。」 そういって渡辺さんが、オレンジジュースを不思議生物から受け取り、机の上で震えている「れいむ」にかけはじめた。 自然な感じで状況が推移しているけど、気を失った同級生の頭にオレンジジュースをかけるというのは普通なのだろうか。 ラグビー部の人間が、やかんの水を掛けられるノリなのか? 「どういう展開なの?」林田君にこの状況について聞いてみる。 「ん?ああ、こいつら単純でさ。オレンジジュースをかけると元気になるんだよ。」 「ポパイじゃないんだからさ……」 林田君の言う通り、オレンジジュースの雫が垂れる度にれいむの痙攣が少なくなり、何やら鞭の傷痕が塞がっていった。 恐ろしい回復力。スゴイね、人体。というやつだろうか。 「ゅぅうう……。ゆっくり……できてるよぉ……!!」 「よかったぁあああ! げんきになったんだねぇ! れいむぅううう!!!」 「また、まりさにたすけられちゃったね! ありがとう、まりさ!」 「ゆぐ……。よかったんだぜぇ……!!」 不思議生物同士で頬を擦り寄せ合っている、仲いいな。人間でその距離を再現すると気持ち悪くなる近さだ。 れいむの発言からして、コイツの名前は「まりさ」なのだろう。れいむ2号で良い気もするが、一応聞いてみるか。 「おまえはまりさって言うのか?」 「ゆ!? そうだよ! まりさはまりさだよ!! ゆっくりしていってね!! おにいさんはだれなの?」 「れいむ2号で良いじゃん」と思いながらも、不思議生物2匹に、自己紹介をする。 「てんこうせいさんなんだね! きょうからまりさたちとゆっくりしていってね!!」 「おにいさんがゆっくりできるように、れいむもがんばるからね!!」 「ああ……、ゆっくり……するよ?」 『ゆっくり』っていう言葉廻しが流行ってるのかなぁ……。都会の流行は解らんものだ。 「あ、私達ともよろしくね?」 「俺は勉強の助けは出来ないけど、その他に関しては任せろよ。」 「うん。よろしくね。」 「ゆっくりしていってね!!」 「うん、ゆっくりしていってね。」 普通のクラスメイトとの別れは「じゃあ、また明日」で返し 不思議生物との別れの挨拶は「ゆっくりしていってね」で始業式を終えた。 ゆっくりしていってね……か。うん、この学校でゆっくりしていけるといいなぁ。 このSSに感想をつける
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前置き ゆっくりのセリフに読みやすくなる程度漢字を使用しております 舞台は幻想郷じゃない現代っぽいどこかです ありす種が総シカト&いじめ対象な世界観です 作:メトロイドマホロイド そこは人里から距離が離れた森の中 人里から離れたこの地までは、そうそう加工所職員も来ることもない ゆっくり達は安全なこの地に群れを形成し、助け合い野生を生きていた そんな平和な森の中にある、作りかけのゆっくりの巣、その中は悲鳴で満ちていた 「やべでえ"え"え"え"え"え"、までさでずっぎりじないでぇ!!!」 「都会派なありすもいいけど、やっぱりまりさのぺにぺには最高ね!」 「ゆぎぃ!!?!?」 まりさはありすにレイプされていた 数年前にありす種は、ゆっくりできない存在とされ、全てのゆっくりを敵に回してしまっていた それでも、ありすの餡子脳はの本能的に、ありすはまりさが一番すっきりできると思っている しかし一方、このまりさは、ありす種はゲスでレイパーで最低の種族、そう親から何度も教えられてた 犯されているまりさの今の気分は、とてもゆっくりできるものではないだろう 「いや"だああああああああ!? までさは、でいぶかぱじゅりーとゆっぐりずるっでぎべでるのぉ!!!!!」 「なら、もう浮気しないようにまりさをありす色に染めてあげるわぁ!」 「ゆびゃぁっ!!!」 将来を決めた相手がいる、ありすにそう訴えるが発情したありすの思考は、その言葉を都合よく置き換える ありすの頭にはまりさですっきりすることしかないのだ 「ごんなべにあうなら、ひどりだぢすぶんじゃながっだぁ」 そう、このまりさは一人立ちしたばかりであった 一人立ち 巣作り そして一生をゆっくりする相手を見つけ、1度子供を育てきる これがまりさのいた群れのルールであった つまるところ、役立たずなニートゆっくりは群れにとって邪魔なだけだ、これはそれを判別するための方法である 発案者は、もっとも年長で群れの長れいむの伴侶であるぱちゅりーでだった このまりさも、それに従い一人立ちをし、巣を作っている最中だった しかしありすに見つかってしまった 普段のありすは、ありす種同士の群れを作り、移動しながらひっそり暮らしている これはレイパーありすが、全体の95%以上を占めた時代、他のゆっくりはありすとはゆっくりできないと切り捨てたためであった しかしありすの群れとはぐれてしまい、一人寂しくしていた所、まりさを見つけた そして穴を掘ってるまりさの尻を見て発情し現在にいたる 「だずげでぇぇぇぇええええええ、でいぶぅああああああああ、ゆあがぁぁぁぁああああああ!!」 「もう!つんでれさんなんだからぁ!!都会派のありすを燃えさせるテクは完璧ね!」 「ぞんばわげないでじょおおおおお!!!!!」 勝手な言い分、都合の良い解釈、それはレイパーだけではなくゆっくりの本質でもある しかし、通常のゆっくりは他人を思い助け合う ゆっくりにはゆっくりするために、そうしたほうがゆっくりできると本能でわかるのだ しかしレイパーやゲスの場合は違う 自分だけゆっくりできればいい そのために物事を湾曲し、自分がゆっくりできる意味に置き換えるのだ 「ぱじゅりーでいぶぅ!でぃぶぅ!!はじめではふだりがよがっだぁよぉ!」 「「すっきりー」」 同時に2匹はすっきりする、しかしその表情はまったくの逆だった ありすの表情は、まりさとのすっきり、そして子孫を残せる快感と歓喜に染まる それに対してまりさの表情は暗かった 大きくなったら幼馴染のれいむかぱちゅりーの、どちらかを選び結婚すると約束していた それにも関わらず、まりさは初すっきりをレイプで失った 「うふふ、久々のすっきりだからいっぱいすっきりできたわ!」 「ゆ、ゆぅ・・・・」 まりさの頭からは、すでに妊娠した証である茎が伸び、実が形成していた ゆっくりはレイプで妊娠したらなぜか胎児の成長がとても早くなる 一種の危機感からだろう 「とてもゆっくりした都会派な子ね!まりさ、ずっといっしょにゆっくりしましょうね!」 「ゆ"!?」 ずっとゆっくりしよう それはゆっくりにとってのプロポーズの言葉 最愛な相手と誓い合う言葉 「ありすなんかとゆっくりできるわけないよ!レイパーはゆっくりしてないで死んでね!この田舎者!」 「どぼじでぞんなごどいうのぉ!?」 イナカモノ、この言葉がありすをどん底に落とす言葉だと親から教わっていた その言葉をありすに言えば、ありすはゆっくりできなくなる 「ありずは都会派よ!穴ぼりもろくにでぎないで、汚らしいまでぃさと一緒にしないでほじいわ!」 「ゆ”!?」 田舎者、その言葉を聞いたありすは、醜く顔を歪ませまりさを怒鳴りつける まりさはありすに恐怖を覚え、ありすの言葉の汚いという言葉に落ち込む まりさの体は、すっきり汁に泥がこびり付き、自慢の帽子はぐしゃぐしゃ 目の前のありすが、その原因だと言うことを忘れ泣きじゃくってしまう 「ふんっいいざまだわ!でも、まりさのまむまむは最高だったから、ありすの子供を育てる権利はまりさにあげるわ」 頭を見るとまりさの額の茎からはすでに、ビックリボールサイズの赤ゆが揺れ動いてた その赤ゆは、まりさが1匹にありすが7匹と割合が酷かった 「いやだよ!まりさはありすの赤ちゃんなんて産みたくないよ!」 「出来ちゃったのは仕方が無いでしょ? それとも殺すの?おお、怖い怖い」 そう吐き捨て、ありすは巣を出て行った すっきりしたありすには、まりさなどすでに興味の対象ではなかった 「ゆぅ~ん、とってもゆっくりした都会はな時間をすごせたたわ・・・・ゆ!?」 まりさとすっきりできた開放感 その快感にありすはすっかり忘れてしまっていた 自分・・・ありす種がどのような境遇かを 「ゆっ! レイパーが逃げようとしてるよ! ゆっくり逃がさないようにしてね!」 ありすが外に出ると沢山の群れに囲まれた とても屈強ゆっくりだと一目でわかる長れいむ ドスまりさ 用心棒であろうみょんとちぇん 群れの成体れいむ3匹にまりさ4匹 そう、ありすは忘れていた 一人立ちしたばかりのゆっくりは群れの近くで家を作ることを 数分後- 「いや"や"や"や"や"や"や"や"!!!!!!!!!!!!! ありずをいじべないべぇぇええええええ!!!!!!」 ありすは逃げようと全力ダッシュした、しかしちぇんとみょんに速さで勝てるはずがなく、あっさり捕まり吹き飛ばされた それに加え、ドスに何度も地面に叩きつけられ動けなくされた そして今は、群れの若いゆっくりにリンチされている状態である 「れいぱーはゆっくり苦しんでね!」 「まったく田舎者のありすは下品すぎるよ!」 「汚いありすに飾りなんていらないね! このゴミカチューシャは壊してあげる!」 「ありじゅのカジュージャどらないでべええええええええ!!!!!!!!!!」 叫ぶありすに耳を貸すゆっくりなどいない これはレイパーへの制裁なのだから それからさらに数分後 ありすは死んではいないが、すでに声を発することもできず、痙攣を繰り返すだけになっていた 「レイパーなんて苦しんで死ねばいいんだよ!」 長れいむがありすに言い放つ、しかしありすには聞こえてはいないだろう 「まりさだいじょうぶみょん?」 「ゆぅ・・・・」 みょんがまりさの心配をする、まりさの顔は先ほどよりさらに暗く落ち込んでいた 頭の上の子供はどんどん育ち、たった数分で、キャッキャと言葉を発するまでになっていた これでは生まれるのも時間の問題だろう 「まりさはこの赤ちゃんうみたいの?」 長れいむがまりさにそう質問した、その言葉にまりさだけではなく群れの一同も黙り込む 産みたいの? Yesと答えればのレイパーの子を産むことになる Noと答えれば生まれる前に殺さなくてはならない 子を産みたくないまりさはNoと答えたかった、しかしそれにはある危険が備わっていた 「赤ちゃんを殺したところを他の群れに見られたら、群れのの皆に迷惑をかけるよ・・・」 いくら森が広いといえど、野生の環境ではゆっくりできる場所など限られている、そのため群れ同士が近い場合も多い そして現に、この近くでは2つの群れがあった 1つは、まりさが将来を約束したれいむのいる群れ このれいむは、まりさを助けに来た長れいむの子だ そして、もう1つの村はぱちゅりーのいる近くの群れ まりさのれいむとパチュリーとの約束 どちらかの群れと共にゆっくりする事を選び、その群れにいる幼馴染と結婚する これが、まりさとれいむとぱちゅりーの約束であった 「それに、れいむとぱちゅりーもきっとまりさのこと嫌いになっちゃうよ・・・」 ゆっくりの社会にはいくつかの禁忌が存在する その1つが赤ゆ殺し レイパーやゲスに犯され、子を孕むゆっくりは少なくない その場合、本来なら誰もいない場所、ゆっくりできない場所に捨てて来るのがならわしである だがまりさには時間が無かった レイプによる急成長する赤ん坊 しかもまりさはまだ完全な成体になっていない 巣作りによる体力消費もあり、まりさは赤ゆが生まれると同時に確実に死ぬであろう そのような理由で皆はどうすれば良いか考えていた その時、唐突にドスが提案した 「食べるんだよ」 「「「「「ゆゆ!?」」」」」 ドスの声にみんなが驚く 食べる ゆっくりを食べるなんて考えられないこと れみりゃやふらん等の捕食種だけがが行うその行為、その意味を知らないゆっくりなどいなかった 「そんなことしたら赤ちゃんゆっくりできなくなるよ!」 「そうだよ死んじゃうよ!」 群れの若いゆっくりは抗議する 自分には関係ないこの若いゆっくりにとって、まりさの死なんて二の次の存在、赤ゆがありすなんて二の次の存在だった 赤ん坊とすりすりしたい、それはとてもゆっくり出来る行為 この若いゆっくりはそれしか頭になかった しかしドスは続ける 「でもここには食べ物がないし、今から狩りに行く時間なんてないからまりさが死んじゃうんだよ」 「まりさ・・・・ゆっくりしてないで決めるんだよ、どっちがゆっくりするか」 「ゆ・・・」 ドスが理由を話し、長れいむが決断を迫った この二匹はかなり長いこと生きている事と、長の伴侶であるぱちゅりーにいろいろ学んでいるため、通常の成体ぱちゅりー並に知識がある そのため現状を理解し整理した結果、どちらかを生かすかはまりさに委ねた 長れいむは群れのゆっくりに約束させた、他のゆっくり達にもこの事を話さないことと、まりさを攻めないことを 「まりさは・・・・・赤ちゃんを産みたいよ・・・でもみんなともっとゆっくりしたいよ・・・」 どっちも選べない 自分の子を殺せばゆっくりできない、すりすりをして幸せにも浸れない 目の前にあるゆっくりできる存在を捨てたくないのだ 「・・・・!ちぇんに良い考えがあるよー!」 「「「ゆゆ!?」」」 みんなの視線がちぇんに集まる 「まりさと似てる赤ちゃんだけ残して食べちゃえばいいんだよー」 「ゆ!」 まりさの目が輝く レイパーと似た赤ありすが消えるだけで、自分似の赤ちゃんが生まれる なんてゆっくりした方法なんだろう、まりさはちぇんの言葉にが同意した それに幸い赤まりさは1匹だ 赤ありす7匹を食べれば失った分の中身を摂取するに十分である 「折るよまりさ?」 「や、やさしくゆっくり折ってね!」 長が一番根元に生えていた赤まりさを残し、赤ん坊を茎ごと落とした 『ゆぎゅ』『ギギギ』、そう赤ありすが唸っている姿を見て、まりさは思わず涙を流してしまった 望まれない子供でも、ゆっくりはとても強い母性を覚えてしまう 「まりさ!ゆっくりしてないではやく食べるんだよ」 「ゆ・・・ゆ・・・・ユアああぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」 ドスに促されまりさは、茎ごと赤ありす食べ始めた その光景はゆっくりできるものではなく、長とドス以外は目を背けている 「ゆ"っゆ"・・・・しあわせー!」 「・・・・ゆ?」 しあわせー、ゆっくりにとって美味しい物を食べた時の言葉である 「何言ってるのまりさ! 赤ちゃんが美味しいわけないでしょ!」 「ち、ちがうんだよ長! ほんとうに美味しいんだよ!!」 まりさは赤ありすの頬をちぎり、長れいむに食べてみてと促す 最初は長れいむも嫌がっていたが、まりさが美味しそうに食べている姿を見て、本能には勝てず、ちぎられた赤ありすの頬を口に含む・・・ 「むーしゃむーしゃしあわせー」 長れいむの言葉 それは紛れも無く"しあわせー"であった 「ゆゆ!?ほんとうにおいしいの?」 「信じられないよ!」 その言葉に不安をもらす群れのゆっくり達 「本当に美味しいんだよ! 長のいうことがしんじれないの?」 「ゆぅ・・・・」 群れのゆっくりは押し黙ってしまう 長の言葉は絶対的に信用がおけるもの しかし赤ちゃんが美味しいなんて信じられなかった 食べさせれば美味しいことなんてすぐわかる、でも赤ありすは全部まりさがたべてしまった そこで長れいむは閃いた、ないなら作れば良いと 「ならあいつで赤ちゃん作るからまっててね」 長れいむの視線の先 そこには痙攣を続けるありすがいた 「ゆっくりすっきりされてね!」 長れいむが自身を発情させる、長れいむはありすのまむまむを貫いた 「ゆがうああぁぁああがああああ!?!?!?!!」 突然の痛みに狂った声を上げるありす 「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ!」 「いぎゃあああああ、おがざないべぇえええ!!!!!」 「「「「「「「「「すっきりー」」」」」」」」」」」 いつのまにか群れの全員でありすをレイプしていた レイプされたまりさも、先ほどの怨みを吐きながら腰を振っていた始末だ 全員にすっきりされたありすの額からは、にょきにょきと茎が10本も伸びていた 「ゆ・・・赤ちゃん・・・ありすの・・・・」 一気に大量の赤ちゃんができたため、ありすは瀕死の状態だった それでも妊娠した喜びを感じる だが、ありすのその喜びは数秒だけの喜びであった 「そろそろいいね!」 ブチッブチッブチッ ブチッブチッ ブチッ 「あやああああああ!!?!?!? ありずのあがじゃんどばないでぇああああ!? あ"!? あ”!?」 長れいむに、茎ごと子供をもぎ取られ抗議する しかし、一気に10本も妊娠したため、体は餡子が無くなり黒ずんでいき、ありすの死亡した 「みょん・・・全員ありすだみょん!」 「ドスの赤ちゃんがいないよ・・・」 「死んでも図々しいだね、うんうんわかるよー」 レイプしてすっきりしたといえ、すっきりしたからには自分自身の子供がほしかったのだろう しかし生えてきた赤ゆは全てありすである ちなみにこれには理由があり "レイプされたありす" はすべて自分自身の赤ゆを産むという実験結果がでている 先ほどまりさの赤ん坊のほとんどが、ありすだったのもそのためだ ゆっくり達が知るわけも無い事だが 「ゆぅ~ん・・・ほんとうにおいしいの?」 「ゆゆ・・・・」 群れのゆっくり達は警戒する すでにこの世界のゆっくり社会では、ありす種などゴミ以下の扱いである しかし成体ありすを殺すことはあっても、赤ゆやちびまで殺すことなんてゲス群れで無い限り滅多に無い だが今食べようとしているモノはゆっくり・・・しかも赤ゆである、躊躇するのも仕方が無いことだった そんな群れのゆっくりを見て、長れいむがもう全員に問うもんをする 「皆に聞くよ?ありすはなにかな?」 「ごみくずだみょん!」 「最低の存在だよ!」 「ゆっくりできないばかどもだよ!」 一斉にありすへの批判の声があがる 十数年前 ほぼすべてのありすがレイパー化した時代 ゆっくりは地獄を味わっている 強制すっきり 犯り逃げ 冬腰前にレイプされ、冬を越せず死亡した大量のゆっくり達 それに対しゆっくり達は、徒党を組みレイパー達に対抗 ドスや能力の高いものを長とし、用心棒を雇い群れを強化 知性の高いぱちゅりーやきめぇ丸による人間や妖怪たちへの協力要請の成功 家族を犯し殺されためーりん種の暴走 この様なことから、ありす種は劇的に数を減らすことになったあの時代 現在では、親から子へ、ありすはゆっくりできない存在と伝えられるようになっていた 「ならこれはゆっくりじゃなくてただの食べ物だよ」 「「「「ゆゆ!ゆっくりりかいしたよ!!」」」」 単純な餡子脳と、ありすに対しての教えもあり、長の言葉をあっさり信じるゆっくり達 「「「「むーしゃむーしゃしあわせー」」」」 「とってもゆっくりできるよ!」 「本当に美味しいよ!すごいよ!」 群れのゆっくりは、すでに赤ゆを食べているなんて考えなどなかった 美味しくゆっくりできるものを見つけた、それだけが頭を支配していた 「でも、もうたべれないんだね」 「ゆぅぅ・・・」 ありすの死骸をみて落ち込むゆっくり達 死体をみて悲しんでるわけではない ゆっくりできるものを作れなくなったのに悲しんでるだけだ 「なら新しいありすを捕まえればいいんだよ!」 それはレイプされたまりさの提案だった ありすを捕まえて、殺さないようにすっきりし、赤ゆを産ませ続ける事 母体が死んでしなないように、そこらへんの苦い草でも食べさせる様にする事 「名案だよ! さすがだねまりさ!」 「ゆっへん!まりさは、もう一人前のゆっくりなんだから、このぐらい当然だよ!」 さっきまで頭に生えてきた子に対し、涙を流していた者の言葉とは思えない発言である よくみると頭に生えていた茎が無い 誘惑に勝てず食べてしまったのだ 数日後- その洞窟には最低な光景が広がっていた 「やべでぇえええええええ!?!!!!?!?!!」 「ごんばのどがいはじゃないわぁああああああ」 「あががあああああああ、あかじゃんうびだぐない!!」 そこには6匹のありすがレイプされていた 足を痛めつけられて動けないありすを犯すゆっくり達 死なないようにそこらへんで拾った適当な草を食べさせること忘れない 「ダッチワイフはだまってゆっくりたべものを作ってね!」 「すっきりー」 「ゆっへっへこのダッチワイフのしまり最高だぜ!」 ありすをダッチワイフと呼び犯し続ける、群れのゆっくり達がそこにはいた 最初は村のみんなに反対された それは赤ゆを食べることではなく、ありすを村に入れることに対してだった しかし長の "美味しくてゆっくりできる" という言葉に全員はすぐに説得されてしまった そして現在は、長の伴侶であるぱちゅりーの案により、出口がひとつしかなく、ありすが逃げにくい洞窟でこの行為を行うことにした ありすをまりさが洞窟ですっきりしようと誘う それはありすには最高にゆっくりできる瞬間 ありすが誘いを断るはずが無かった その後、洞窟につれてこられたありすは足を痛めつけられ、動けなくしたのち、すっきり処理兼食べ物製造とされた この群れでは、固体が増えすぎないように、勝手にすっきりしたら制裁(=間引)がルールだった そんな欲求不満がたまったゆっくりが集まった群れのゆっくりは、好きな時にすっきりできて、美味しいものを食べて、ゆっくりできることに飛びついた しばらくして長れいむは、隣の長まりさの群れを誘った ゆっくりにとって、性欲と食欲を満たす事を断る群れもいるはずもなく、今では共同で食用赤ゆ(ありす)を作る日々である そしてさらに数週間がたった 「れいむの群れはすごいんぜ」 「ゆゆ、あたりまえだよ! れいむのむれは、最高にゆっくりしてるんだからね! それにいまは二人の群れだよ」 「「ゆぅ~ん」」 愛を確かめるかのようにすりすりを行う二匹 長れいむと隣群れの長まりさには子供ができていた お互いの伴侶の同意を得て、群れ同士を1つにし繋がりをを深めるために長同士で子供を産んだ 交代で指揮ををとるうちに、愛情が芽生えたのもその原因の1つであったが 「まりさ・・・ずっとゆっくりしようね!」 「あたりまえなんだぜ」 そうしてビクビクと動く二人の影は重なった 先の世代まで続くこの群れの繁栄 それはゆっくりによる[ゆっくりありす加工所]の誕生により約束された オマケ(まりさのその後)- あの後、群れに戻る条件に長れいむは自分の子と結婚するかどうかを迫った まりさは少し悩んだが、れいむとゆっくりしたい気持ちと一人は怖い気持ちがあったので、すぐにれいむとの結婚し群れに戻る事を決めた 後日、ぱちゅりーにこのことを報告に言ったが、ぱちゅりーは温かく祝ってくれた それから2週間ほどたち、洞窟の中ではありすの阿鼻叫喚図がさらに広がっていた その洞窟で作った食べ物(=赤ありす)を、体が弱いために群れまでこれないぱちゅりーに毎日届けていた 最初は、そんなもの食べれない、そう言ってていたが食欲の本能には勝てず 今では、3人仲良く食事を取るな日々である しかしあるとき事件が起こった 「れいむ・・・ゆっくりついてきてね・・・」 れいむは、元気の無いまりさに[だいじょうぶ?]と声をかける、それに対しまりさは[だいじょうぶだよ・・・]と力なく答えるだけである れいむは考えた、そしてある結論に行き着いた 昨日は雨が降った、ぱちゅりーに食べ物をもって行ったまりさは昨晩帰ってこれなかった、だから急いで帰ってきたから疲れているんだ そうれいむは判断し、まりさのあとに付いていく そしてついたのは隣群れのぱちゅりーの家であった 「ぱちゅりーといっしょにごはんをたべるために呼んだんだね!ゆっくりりかいしたよ!」 久しぶりに3人で一緒にごはんを食べれる れいむはそう解釈した しかしその解釈とは違う自体が目の前に広がる 「むきゅ・・・・」 「ぱ・・ちゅりー?」 れいむは目を疑った ぱちゅりーの頭からは茎が伸び、子供が小さいながら生まれていたからだ ぱちゅりーは結婚をしていない つい最近、まりさがれいむと結婚するまでずっとまりさを待っていたからだ 「ごめんねれいむ・・・ぱちゅりーとすっきりしちゃったの・・・」 「ゆゆ!?」 まりさの言葉が理解できなかった まりさは自分の愛する夫 ぱちゅりーは大事な親友 そしてれいむはまりさの妻 それなのに 「なんで・・・どおしてぱちゅりーとすっきりしたの!」 「ごめんねれいむ!まりさがまんできなかったんだよ!すっきりしたかったんだよ!」 あのあと、まりさはゆっくり加工所のありすで何度もすっきりした、それでもまりさは愛する妻とすっきりできない日々にもやもやしていた 長れいむの群れでは、長や一同から許しがでないと子を作ってはいけないのだ しかしぱちゅりーの長まりさが統べる群れは、すっきりは自由だが子育てを手伝ってはいけないという決まりである 雨が降り始めたので帰れなくなったなったまりさは外をみていた その視線の先には、巣の中で仲良くよりそう親子 羨ましかった 自分の群れでは許しが出るまですっきりができない、子供が産めない 家族、それはずっと思い描いていた幸せの光景 「まりさもあかちゃんほしいよ・・・」 そうつぶやくまりさをぱちゅりーは寂しそうな目で見ている 自分と結婚すればその日にすっきりさせてあげたのに そう思っても言葉に出すことは無い まりさはもう結婚しているのだから 「まりさゆっくり雨をやむのをまちましょう」 かける言葉がみつからないぱちゅりーが、重い空気に耐えられずまりさに声をかける 「ぱちゅりー・・・心配かけてごめんね・・・・」 「むきゅん!?」 傷心しているのにも関わらず、まりさは自分を心配してくれる 落ち込んでいるのに自分を気遣ってくれる、その言葉に頬を染め目を伏せるぱちゅりー その行動がまずかった 「ぱちゅりーもうがまんできないよ!」 「むきゅ!?」 まりさが突然すりすりしてくる 「だめよまりさ!大人のすりすりは夫婦でしかしちゃいけないのよ!」 さとそうとするが、今までの欲求不満が爆発したまりさはとまらない その相手は、れいむと同じぐらい愛していたぱちゅりーなのだから 「そんなの関係ないよ!ぱちゅりーの事がまりさは好きなんだよ!だからすっきりしてゆっくりしてするんだよ!」 ぱちゅりーとゆっくりしたい その一言がぱちゅりーの理性を壊した 愛するまりさの大人のすりすりに答えるように唇を重ね舌を絡める 「ゆゆ!?」 「まりさ安心して・・・人間達がする大人のすりすり・・・あいぶっていうのよ」 ディープキスをされ[ゆぅ~ん]とすでにまりさの目はトロントロンである レイパーありすなら舌を絡めることもあるが、普通のゆっくりはキスなどしない どこで知ったかは知らないが、博識なぱちゅりーならではの知識だろう それから二人は燃えに燃え、何度も舌を絡めすりすりし重なり合った 最初は[んほおおおおお!!!]と叫んでいたまりさだったが 「だめよまりさ!ほかのゆっくりにきづかれたらどうするの!」 そう怒られたため二匹とも[すっきりー]という言葉以外は黙ってすっきりした その結果が現在の修羅場である 「まりさはれいむのこと大好きだよ、でもぱちゅりーを忘れるなんてできなかったんだよ・・・」 「れいむごめんなさい・・・」 謝る二匹にれいむは罵声を浴びせることができなかった 愛する夫と親友 そしてその親友の額からは、自分の夫の子が生えてきている ここで罵り2人に嫌われたら、まりさは自分を捨ててぱちゅりーと一緒ににずっとゆっくりするであろう そう思うと何も言えなかった 「まだいうことがあるんだよれいむ」 「もうやだよ、ききたくないよ・・・」 れいむはこれ以上聞きたくなかった これ以上ゆっくりできなくなりたくなかった 「まりさとぱちゅりーは群れからでていくよ」 「ゆっ!?何言ってるの!れいむと結婚してるのになんで・・・」 「結婚してるからだよ、れいむがいるのにぱちゅりーと子供を作ったから、もう群れにはいれないんだよ。ゆっくりできないかもしれないけど、ゆっくり理解してね」 長れいむの群れでは、勝手にすっきりはご法度 妻がいる相手とすっきりしたぱちゅりーは、長まりさの群れから制裁を受けるだろう もちろんまりさもだ 「ゆぅ・・・」 れいむはうなだれる事しかできなかった 愛する夫は自分から離れ、親友と他の地でゆっくりする そこには自分はいない れいむは1つの決心をした 「なら、れいむもついていくよ!」 「むきゅ!?」 「ゆゆっ!?」 だめだよ! そう言ってまりさは止めたがれいむの決意は固かった 妊娠してるぱちゅりーと移動するには、まりさ一人じゃ庇いきれないという理由をつけて 「れいむも群れから離れるのは怖いけど3人なら大丈夫だよ」 「・・・・まりさ、れいむもつれていきましょう」 ぱちゅりーがそう言うと、まりさもれいむが付いてくることに同意した そしてぱちゅりーは続けた 「ゆっくりできる場所を見つけたら、まりさとれいむはすっきりするといいわ」 「「ゆっ!?」」 ぱちゅりーの言葉に驚く二人 一夫多妻など、ゆっくりにとってまずありえない事である 「なに言ってるのぱちゅりー! まりさはもうぱちゅりーとすっきりしたんだよ! れいむとすっきりなんてできるわけないよ!」 れいむがぱちゅりーに抗議する 「でも、まりさはれいむの夫よ。それに3人でまたゆっくりするにはこれが一番だわ」 「・・・れいむ、またゆっくり聞いてね! まりさはれいむのこと愛してるから、すっきりして赤ちゃんほしいよ」 「まりさ・・・」 愛する夫のすっきりしたいと言う言葉 浮気してしまったとはいえ、その言葉にうれしくて涙してしまった 「ゆゆ!?れいむどこか痛いの?!」 「ちがうよまりさ、うれしいんだよ・・・れいむのこと嫌いになったと思ってたから・・・」 「そんなことないぜ最高の妻なんだよ!」 れいむはまりさの言葉で再び笑顔を取り戻した そして次の日の夜、3匹は群れを後にした 長旅になるだろうと、家にある食べ物をすべて持っていくためである ちなみに食べ物はれいむの口の中にぱんぱんに詰め込まれ、例の食用赤ゆ草に包み、茎ごとまりさが引っ張っている この旅の結末、この3匹がゆっくりぷれいすを見つけられるか見つけられないかはまた別のお話 「ゆぎゃあやああああ!!!!」 「ぱぴぷぺぽー!ぱぺぴぽぺー!!」 今日も洞窟のありすの悲鳴は止まない Q.人間や妖怪になんで協力要請が通ったの? A.群れ単位で人間に労働力となったり野生ゆっくりからの村の畑の警護などが報酬 主にレイパーにキレた愛での人たちが大半です Q.長勝手にすっきりしてね? A.ただのすりすりです Q.捕食種の存在意義がなくなるんじゃ? A.あくまでもこの群れでのありすの赤ゆを食べる行為は生産 この世界観ではありすはどん底設定なので他ゆっくりはありす=ゆっくりとしての認識が欠如してます 前の作品 「ゲスG誕生!」 「猟奇的に伺が。」 「ゆっくり実験所」
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注意書きは作者の義務でありそれを怠る作者は失せろという考えの読者様はそのままUターンするのをオススメします 酷い内容だがなにひとつ注意なんかしてやらんからな! 編注:以下数十行の改行 あるところに、二匹のゆっくりがいました。 「ゆっくりしていってね!」 彼女の名はゆっくりれいむ。 幻想郷の原っぱに住む素敵なお饅頭。朝起きては飯を食い昼寝をして飯を食いおやつを食べて飯を食う生活を送っています。 「ゆっくりしていってね!」 彼女の名はゆっくりまりさ。 幻想郷の原っぱに住む普通のお饅頭。昼間狩りをする以外はれいむと同じ生活をしています。 二匹は頬をすり合わせて声を上げます。 「「ふたりそろってゆっくりしていってね!」」 一体誰に話しかけているのでしょうか。 彼女らはつがいです。 幼い頃から共に育ち、強い強い絆で結ばれたそれは素晴らしい夫婦です。 と、そこへ巨大な黒い影が。 「ひゃー。我慢できねー虐待だー」 そう、虐待お兄さんです。 彼はゆっくりを捕まえては口にブツを突っ込み目にブツを突っ込み挙句に後頭部にブツを突っ込む異常性癖者です。性的倒錯にもほどがあります。 え? ちゃんと服を着ている? きっとそれはボディペインティングか、そうでなくては小麦粉かなにかです。騙されてはいけません。彼は変態なのです。 「ゆっくりしていってね!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 しかしそんな事は知らないれいむとまりさはにっこりと笑いながら虐待お兄さんに近寄っていきます。虐待お兄さんはただでさえ気色悪い顔を一層歪めてまずはれいむに飛びつきました。 「んほぉぉぉぉぉぉぉぉ! れいむタンかわいいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」 気持ち悪い事山の如しです。 「ゆっ?! すりすりがつよすぎるよ!」 「やめてあげてね! れいむつらそうだよ!」 その異様さにれいむとまりさもようやく危機感を覚えたのか、あるいはただきもちわるいだけなのか。いずれにせよ、虐待お兄さんから必死に離れようともがき始める。 しかしそれを許す虐待お兄さんではありません。だってまだ虐待してないのですから。 「うるせー。まりさは後で虐待してやるからこれでも食ってな」 彼はそう言ってまりさの口を巨大な五寸釘……巨大だったらそれはもう五寸釘とは言わないのではないかという無粋な突っ込みはお控えください……で刺し貫いた。 「ゆぐー?!」 「ま、まりさー! やめてあげて! あんなんじゃゆっくりできないよ!」 「ひゃっはー。何て可愛らしいんだ我慢できねぇ虐待だー」 虐待お兄さんは叫びながられいむの眼窩に指を突っ込みます。 「ゆひゃー?! おめめがみえないよー?! どうしてまっくらなのー?!」 困惑するれいむ。お兄さんはそれを眺めながら舌なめずりです。 「で、でいぶぅぅぅ!! でいぶの……でいぶのきらきらおべべがぁぁぁぁ!!」 口を貫かれてるのに器用に泣き叫ぶまりさ。お兄さんはその姿に食指を動かされたのか目無しのれいむを地面に置いてまりさを手に取りました。 「やべでよぉぉぉぉぉぉ!! ばりざいだいのはやなのぉぉぉぉぉ!!」 「お兄さんも我慢するのは嫌なんだよー。ゆっくり理解してねー」 お兄さんはそう言うとがたがた震えるまりさの下顎に指をかけ、ゆっくりゆっくりと指を下ろし始めます。 「やめへ! おふちがひはひひょ! ゆっふひひゃへへね! ……ひゃへへっへいっへるほひぃぃぃぃ?! ひょほひへひゃへへふへはいほぉぉぉぉ?!」 「何言ってるんだかわからないよー」 これは嘘。お兄さんは脅威の読唇術でゆっくりの思考など読みきっている。 やがて、ぶちぃという音がしてまりさの下顎は本体とバイバイしてしまいました。 最早叫び声も上げられないまりさが涙を流します。 「まりさー?! どうしたのー?! ゆっくりへんじしてねー?!」 目の見えないれいむには急にまりさが喋らなくなった事しかわかりません。必死にまりさを呼びますが、まりさにはもう答える事ができないのです。 お兄さんはまりさを地面に置くと頭に少量のオレンジジュースを掛けて、いいました。 「ゆっくり虐待してあげるからせいぜい泣き喚いてね!」 「カーット!」 そこで私は叫びした。 すると、高笑いを上げていた虐待お兄さんが大きく溜息をついて近くの椅子に腰掛けました。 「おつかれです」 「新入りもなかなか腕があがってきたのぜ」 「ははは、あんまり嬉しくないっすけどありがとうございますまりささんれいむさん」 目のないれいむと下顎のないまりさが虐待お兄さんに声を掛け、虐待お兄さんは二人に頭を下げます。 そう、これは虐待映画撮影だったのです。どこに需要があるのかわからない? 私だってそんなの知るか。 「さて、今日の撮影も終わりだしそろそろ帰るのぜ」 「あ、まりささんにれいむさんも身体治して行かなくていいんすか?」 「大丈夫です。私達は厨ゆっくりなのでこう……」 キリッ! と、二人の表情が引き締まる。 「気合を入れれば怪我は吹っ飛ぶのぜ」 「厨ゆっくりなのでってのが腑に落ちませんが流石っすね」 「まぁ、傷を癒してるわけじゃなくて怪我をふっ飛ばしてるだけなんでひょっとしたらどこかのゆっくりが受け取ってズタズタになってるかもしれませんがね」 「嫌だなぁそれ。うちのゆっくりだったらどうしよう」 「虐待お兄さんはリアルでは愛で兄なのぜ?」 「えぇ。ちぇん可愛いよちぇん」 「虐待パートは大根なのにほお擦りだけやたら気合の入るわけですね」 \アハハハハ!/ カメラマンそっちのけの空気のまま、穏やかに時は過ぎていった。 その頃、何処かの森で。 「れいむー!」 「まりさー!」 「「ふたりでゆっくりしようn」」 パーン れいむの目とまりさの下顎が砕け散っていた。 あとがき ナニコレ 冒頭の注意を無視してここまで読んだ読者様へ ↓ 編注:以下数十行の改行 別に何もないけど?